ドジャース・大谷翔平投手(31)に続く、本格的な投打二刀流選手がメジャーに出現しないのはなぜか。米スポーツサイトのアスレチックは12日(日本時間13日)に「大谷は二刀流革命をもたらすはずだった――しかし、その流れを阻んでいるのはルール改正かもしれない」と題し、大谷がメジャーデビューして8年目を迎えた今も、二刀流選手が登場しない現状を分析した。

 理由は1つに絞れないが、関係者の多くが挙げたのは身体的・精神的な負担やケガのリスク。その中でも興味深いのが、「大谷レベルでなければ意味がない」という極めて高い基準だという。

 2022年と23年の途中までエンゼルスで大谷とチームメートで、レッズ時代に二刀流にも挑戦したロイヤルズのマイケル・ロレンゼン投手(33)はこう語る。

「ショウヘイは打撃と投球の両方でベーブ・ルースのような存在として現れ、それが基準になってしまった。では、平均より少し上くらいの二刀流にどれだけの価値があるのか。それを誰かが証明できれば、もっと挑戦する選手は増えるはずだ」

 若手が直面するもう一つの壁は「機会」だ。ロレンゼンはカリフォルニア州立大フラトン校時代、中堅手として打率3割2分4厘、出塁率3割9分4厘、長打率4割7分8厘をマークし、抑えとして5勝0敗、35セーブ、防御率1・63の成績を残した。しかし13年にレッズから指名された際、「メジャーへの近道は投手に専念すること」と助言され、その道を選んだという。早期昇格を望んで片方に絞る例は少なくない。ロレンゼンも打席に立った(147打席、31安打、7本塁打、24打点)が、21年を最後に投手に専念した。

 さらに、20年に導入された「Two―Way Players」ルールも二刀流志望者の芽を摘んでいる。二刀流資格を得るにはシーズンで「20投球回以上」と「20試合で3打席以上」が必要で、満たさなければロースター上は投手登録され枠を消費するため、実戦機会は限られる。フロリダ大時代は大谷2世と呼ばれたロイヤルズの新人ジャック・カグリオン外野手(22)が野手に専念しているのもそのためだ。

 米誌スポーツ・イラストレイテッド(電子版)は、同サイトの報道を受け、「MLB唯一の二刀流が日本出身であるのは偶然ではない」と指摘。「NPBは、大谷に対し、MLB球団がマイナーの有望株に与えない『実証の場』を提供してきた」とした。そして、その見方が正しければ、「海外リーグで先に実力を証明しない限り、大谷がメジャー最後のフルタイム二刀流になる可能性が高い」と結んでいる。大谷は唯一無二だ。