女子テニスの世界ランキング38位・大坂なおみ(24)が4大大会の次戦、ウィンブルドン選手権(6月27日開幕、英国)の欠場を示唆したことで波紋が広がっている。

 大坂は全仏オープン1回戦(23日)でストレート負けした試合後、ウィンブルドン選手権について「エキシビションのようなもの。出場しない方向に傾いている」と発言した。同大会はウクライナ侵攻を理由にロシアとベラルーシの選手を除外。この措置に男子プロテニス協会(ATP)と女子テニス協会(WTA)が反発し、公平性の観点から世界ランキングのポイントを付与しない決定を下していた。

 欧州メディア「ユーロスポーツ」によると、今回の〝大坂発言〟を巡って往年の名選手の間で意見が二分。元世界4位のティム・ヘンマン氏は「ナオミのようなトッププレーヤーは、どんな大会でも勝つことができる。ウィンブルドンのタイトルを取るチャンスがあるのに、それを断るという考えには驚いた」と否定的な見解を示した。

 これに対して、元世界1位のジョン・マッケンロー氏は「ウィンブルドンがやったことは間違いだと思うし、ATPとWTAの決定がそれに拍車をかけた。(ポイントなしの措置が)選手のためになるとは思えない」と主張。その上で「もし選手たちが、ロシアやベラルーシの選手を排除したことが大きな間違いだと信じているなら、彼らは大会をボイコットすべきなんだ」と欠場を〝推奨〟した。

 さらにマッケンロー氏は「誰もが敗者という状況だ」と話し、ウィンブルドン選手権が陥っている異例の事態を憂慮。テニス界の混迷は、まだまだ続きそうな雲行きだ。