テニスの不正監視団体の国際テニス・インテグリティー・エージェンシー(ITIA)が、八百長に関わったとして女子のクセニア・パルキナ(32=キルギス)に16年間の出場停止という厳罰を下した。

 パルキナは2018、19年の試合で八百長に関わったとして暫定的に出場停止となっていたが、ITIAが正式に処分を決定した。

「クセニア・パルキナが八百長によりテニスで出場禁止となった」と声明を発表。「ITIAは、キルギスのテニスプレーヤーであるクセニア・パルキナが16年間の出場禁止処分となることを確定した。10万ドル(約1300万円)の罰金も科される」と表明した。

 今後パルキナが定められた腐敗防止プログラムを順守すれば処分は6年短縮され、最短で2029年11月21日に出場資格の回復が可能としているが、現在32歳という年齢を考えると復帰は絶望的。事実上の引退勧告となる厳罰処分となった。

 近年のテニス界では八百長で告発された選手が複数出ているが、これまでと大きく異なるのが、パルキナがトップレベルの実力を持つ有力選手だったこと。ITIAも「WTA(女子テニス協会)シングルスのランキングが(最高で)163位と高いキャリアを持っていた」と強調しており、八百長がトップ選手の間でも広まりつつある危機的状況に警戒を強めている。

 今回の厳罰が見せしめとなり、テニス界の〝闇〟を浄化するきっかけとなるか。