大混乱に陥っているテニスの4大大会、全豪オープン(2月8日開幕、メルボルン)で、カネをめぐるバトル勃発だ。

 大会の用意したチャーター機内で新型コロナウイルス感染者が出たことで、錦織圭(31=日清食品)ら同乗者72人が一歩も外に出られない完全隔離を強いられている。オーストラリア各紙が20日、報じたところによると、この隔離で4000万オーストラリアドル(日本円で約32億円)が新たにかかる見込みだが、大会を主催するオーストラリアテニス協会のクレイグ・タイリーCEOは「ビクトリア州政府が支払いの一部を持ってくれる」と発言。しかし、同州のリサ・ネビル警察・緊急サービス相は「発言を聞きました。はっきり言いますが、隔離の費用はすべて協会が払います。納税者の金が使われることはありません」と断言。両者の溝が浮き彫りになった。

 大会に参加する選手関係者ら1200人の2週間の検疫隔離も行われており、すでにテニス協会はチャーター機費用や高級ホテル滞在費など、莫大な資金を使い果たしているという。