テニス界が新型コロナウイルス禍で本格的な再始動に向かう中、日本の男子エース錦織圭(30=日清食品)がコロナ陽性を公表。復帰目前で災難に見舞われた錦織は前哨戦の「ウエスタン&サザン・オープン」(22日開幕)を欠場する。21日の再検査で陽性となれば4大大会・全米オープン(31日開幕、ニューヨーク)の出場も諦めざるを得ない。仮に全米欠場となると、どんな影響が出るか?

 まずは3月時点で凍結となっている世界ランキングの降下だ。右ヒジの故障で約1年間も実戦から離れる錦織は現在31位。コロナ禍でポイント算出期間は本来の1年間から22か月(2019年3月~今年12月)に変更されており、同一大会に出場した場合は良いほうのポイントが加算される。昨年大会の3回戦敗退を考えると、上積みできないことは手痛い。開催が発表されたATPファイナルズ(11月15日開幕)の出場も遠のく。

 一方、来年夏の東京五輪への道に支障はない。錦織は国別対抗戦デビス杯の出場回数条件を満たしていないが、例外規定に「ケガ・病気の場合」「過去の五輪での貢献」がある。錦織はリオ五輪銅メダル、ケガの欠場もあったため、このままランキングを大きく下げたとしても、日本テニス協会が9月18日までに国際テニス連盟(ITF)に例外適用をアピールする文書を提出すれば、受理されるとみられる。