競泳の日本選手権兼東京五輪代表選考会(東京アクアティクスセンター)で奇跡の東京五輪出場を決めた池江璃花子(20=ルネサンス)に対して、米メディア「NBC Sports」が〝大役就任〟を期待している。

 8日の女子100メートル自由形決勝では、53秒98で優勝し、400メートルリレーの派遣標準記録(54秒42)を突破。400メートルメドレーリレーに続く五輪切符を獲得した。同メディアは「2019年に白血病で入院した日本の水泳界のスター・池江選手が自国の五輪選考会で2種目目の優勝を果たした」と大々的に伝えている。

 その上で、400メートルリレーは五輪開会式の翌日(7月24日)に行われることから「東京五輪の開会式は7月23日。世界のトップスイマーが最初の週末に出場する場合は欠場することが多いが、池江選手は出場すれば重要な役割(旗手、選手宣誓者、聖火の最終点火者)を担う有力な候補となる」と報じた。

 同メディアの運営元は米放送局「NBC」だ。以前、米放送局「CNN」は「NBC」が夏季と冬季の五輪計10大会で、総額約1兆2700億円の放映権料を国際オリンピック委員会(IOC)に支払っていると明かしている。そんな膨大の力を持つ「NBC」が池江を利用しようと考えた場合、IOCなどが動く可能性も十分にある。

 池江は8日のレース後に「初日の流れって日本チームとしても特に大事だと思うので自分がチームを引っ張っていく」と語っていただけに、大人の事情に振り回されないことを祈るばかりだ。