元五輪女王・岩崎恭子氏が舌を巻いた急復活・池江璃花子の〝前向き〟なメンタル

2021年04月08日 06時15分

女子100m自由形準決勝、1位通過に笑顔の池江璃花子

 元五輪女王も絶賛だ。競泳の東京五輪代表選考会を兼ねた日本選手権第5日(7日、東京アクアティクスセンター)、女子100メートル自由形準決勝で池江璃花子(20=ルネサンス)が54秒36をマーク。1位通過を果たし、2種目の五輪切符が視界に入ってきた。男子200メートル平泳ぎでは佐藤翔馬(20=東京SC)が2分6秒40の日本新記録で優勝。2種目で五輪代表の座を勝ち取った。1992年バルセロナ五輪女子200メートル平泳ぎ金メダルの岩崎恭子氏(42)も20歳コンビの〝スゴさ〟に舌を巻いた。

 さすがの泳ぎだった。前半50メートルは7位で折り返すも「後半上げるというプランを考えていた」と一気にペースアップ。みるみる他選手を追い抜いた。レース後には「レースが楽しみということは、イコール自信があるということと一緒。そう捉えてもらってもいいかな」と手応えを口にした。

 4日の女子100メートルバタフライでは57秒77で優勝。400メートルメドレーリレーの派遣標準記録(57秒92)を破り、奇跡の東京五輪出場を決めた。興奮冷めやらぬ中、この日のレースでも出場選手で唯一400メートルリレーの派遣標準記録(54秒42)をクリア。個人での派遣標準記録(53秒31)突破の可能性も出てきたが、本人は至って冷静。「王座奪還はまだ先になるかなと思っていたけど、しっかり奪還できるように頑張りたい」と決意を述べた。

 現地でレースを観戦した岩崎氏は「予選から他の選手とは違った。何か水の上を走っているような感じだった。本人も『そこまでタイムが出ると思っていなかった』と言っていたし、準決勝は前半流していたので、そういうことができてしまうほど余裕があるということだと思う」と高評価。「みんなが以前なら400メートルリレーで(代表に)入れるかどうかと思っていたはず。それが今ならリレーなら行けると思わせてくれるのが彼女のスゴさだし、魅力だと思う」と目を細める。

 池江が実戦に復帰してからまだ約8か月あまり。なぜ短期間でここまで結果を残せるのか。その要因の一つとして、池江の〝メンタル面〟を挙げる。「気持ちが前向きだなと思う。どうしようとかっていうよりも、こういうふうになりたいなと彼女は考えることができる。例えば病気になっていなかったらと思っていても仕方がない。それは今を受け入れていないということだから。でも現実を受け入れられるのが彼女の強さ」と分析した。

 東京五輪までは残り約3か月半。池江への注目度がさらに上がることが予想されるものの、最後には「本人が満足であれば、それでいいと思う。本人の望む結果になってくれたら」とエールを送った。誰もが予想しなかった池江の復活劇。果たして次はどんなドラマが待っているのだろうか。

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