皆川夏穂さん 現役引退で…固い決意「新体操本来の美しさを伝えていける指導者になりたい」

2021年12月31日 07時00分

20年間の選手生活を振り返った皆川夏穂さん(本人提供)
20年間の選手生活を振り返った皆川夏穂さん(本人提供)

 第2の新体操人生が幕を開ける。2016年リオデジャネイロ五輪個人代表の皆川夏穂さん(24=イオン)は、福岡で行われた21年世界選手権を最後に現役から退いた。17年世界選手権種目別フープで銅メダルに輝き、個人日本勢で42年ぶりとなる表彰台に立つなど、長年新体操界を引っ張ったフェアリーがインタビューに応じた後編では引退後の変化や今後の夢について言及。現役時代には見られなかった〝素顔〟が垣間見えた。


【皆川夏穂さんインタビュー・後編】

 ――引退してから日常生活に変化は

 皆川さん(以下皆川) 毎日朝から夜までしていた練習が急になくなったので、こんなに休んでいいのかなという気持ちもあります。でも、痛いところを我慢しながら動かなくていいのかという安心感もありましたね。ご飯も(大好物の)和菓子だけじゃなくて、おいしいお肉など、いろいろ食べました。今はある程度は気をつけながら食べる時は食べて、それ以外は制限するようにしています。

 ――何がおいしかった

 皆川 和菓子はもちろんですが、現役時代は焼き肉にあまり行かないようにしていたので、引退してから行った焼肉がとてもおいしくて食べていて幸せでした。脂身がそんなに多くない部位が好きなので、ハラミとか好きですね。でも、ロースとかも好きですし、ユッケとかも結構好きですね。

 ――和菓子が好きになったきっかけは

 皆川 おばあちゃん子だったので、おばあちゃん家に行くと必ず和菓子があったのと、幼稚園や小学校の時はよくひいおばあちゃん家におばあちゃんと一緒に遊びに行っていて、近くにおいしい和菓子屋さんがあったので、必ずそこに寄るのが習慣でしたし、小さいころから和菓子を食べる習慣があったからだと思います。一番好きな和菓子ですか? 一番好きなものは選べないですね(笑い)。全部好きなので。

 ――おすすめの和菓子屋さんは

 皆川 「とらや」のようかんと「鶴屋吉信」の生菓子が好きです。頻度的に多い時は週5ぐらいで食べていると思いますね(笑い)。

 ――引退後も新体操ならではのクセは出るか

 皆川 物を拾う時は前屈して、ヒザを伸ばしたまま取っちゃうときはありますね(笑い)。一歩足が出るときにヒザを伸ばした状態で出してしまうこともありますけど、自分では分かりませんが、意外とそこまで出ないのかなと思います。

 ――引退後に指導者を目指そうと思った理由

 皆川 約20年間ずっと新体操にどっぷり浸かっていたのでいったん離れてみてもいいのかなと思っていましたが、世界選手権が終わって引退したときに、新体操から離れたいという気持ちが全然出てこなかったのと、周りの小さい子やジュニアの子をサポートしたいという気持ちが出てきたので、指導者として頑張っていきたいという気持ちが少しずつ芽生えてきました。

 ――どんな指導者になりたいか

 皆川 ロシア留学に行ってナディア(ホロドコバ)先生らにロシアの新体操を学んできた中で、新体操の持つ美しさというところを大切にされていたのが印象的で、それを本当にたくさん教えていただきました。今はルールがどんどん難しくなってきて、新体操の持つ美しさや本来の魅力がなくなってしまいつつある状況だと思うので、新体操本来の美しさを伝えていける指導者になりたいと思っています。

 ――日本を強くしたいという思いも強い

 皆川 日本の新体操界は個人種目がまだメダルの常連国ではないので、日本のレベルを上げられるように、自分がロシアで学んできたことや新体操を通して学んできたことを伝えていきたいなと思っています。

 ――引退会見では礼儀の大切さも伝えたいと話していた

 皆川 やっぱり選手をやっていく上では、応援される選手というのが本当に強いと思いますし、一人ではできないというのを忘れない選手になってほしいです。全てのことが当たり前ではないので、常に感謝の気持ちを持って選手生活を送ってくれる選手になってほしいなという気持ちはあります。

 ――理想の女性像は

 皆川 あまり今までと変わることはないかなと思いますが、本当に今があるのは当たり前ではないので、全ての事に感謝をしながら生活していきたいなと思っています。何でもいい面と悪い面がありますが、何事もポジティブに捉えて前向きに諦めずに乗り越えていくことが大切だと思うので、ポジティブさを忘れずに最後まで何事もやり切れる強い女性になりたいです。この気持ちは選手を辞めてからも持ち続けていきたいなと思います。

 ――ちなみに大ファンと公言する人気ダンス&ボーカルグループ「三代目J SOUL BROTHERS」の音楽を聞く時間は増えたのか

 皆川 今も三代目のことは好きだし、曲も聞いたりするのですが、J―POPやBTSを聞き始めたり、洋楽も聞き始めたり、いろんなジャンルに目が向くようになった感じはあります。選手時代は一つのことに集中し過ぎていたと思うので、趣味の方もなんかいろいろと一つのことに集中しすぎていたのかもしれません。

 ――今後の個人の目標は

 皆川 個人としてはいろんなことに恐れずにチャレンジしていくことが好きなので、チャレンジをしながら楽しく充実した人生を送っていけたらと思います。

 ――新体操の指導者としての目標は

 皆川 新体操の面では、日本の新体操界がもっと世界で認められて、メダル常連国になるためには、まず基礎づくりが大切になると思います。自分が教わってきたことを選手たちに伝えて、日本の新体操界がもっと強くなれば、テレビなどのメディアにも取り上げていただける機会も増えると思います。それが新体操人気にもつながると思うので、まずは自分が教えていただいたことを伝えて、日本の新体操が強くなることができるように頑張っていきたいと思います。


 ☆みながわ・かほ 1997年8月20日生まれ。千葉県出身。4歳から新体操を始め、中学時代に全日本ジュニア選手権で2連覇を達成した。中学卒業後の2013年からはロシア留学で心技体を磨き、16年リオデジャネイロ五輪に出場。17年世界選手権はフープで銅メダルに輝き、個人では日本勢42年ぶりの表彰台となった。現役晩年はケガに悩まされ、21年東京五輪出場を逃したが、同年10月の世界選手権で有終の美を飾った。171センチ。

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