【NEC軽井沢72最終日】笹生優花がプロ4戦目で優勝 東京五輪五輪でシブコの強敵になる

2020年08月17日 11時00分

プロ4戦目で優勝した笹生優花

 驚異の新人が出現した。国内女子ゴルフの今季第2戦「NEC軽井沢72」(長野・軽井沢72G北C=パー72)は、笹生優花(さそう・ゆうか=19、ICTSI)が最終日(16日)に大会記録に並ぶ63をマーク、通算16アンダーでツアー初優勝を果たした。プロ4試合目(国内2試合、米女子2試合)にして2位に4打差の圧勝劇。今春高校を卒業したばかりのスーパールーキーが一気にツアーの新たな主役に躍り出るとともに、来年夏の東京五輪でも注目の存在になりそうだ。

「タイガー・ウッズとプレーしているみたい」「ファンになっちゃう」。最終日に同組で回ったベテランの藤田さいき(34=チェリーゴルフ)はさまざまな表現で笹生のプレーぶりを称賛した。

 武器は自己申告で「アベレージで250~260ヤード」という飛距離だけではない。166センチ、63キロの体格で、ドロー、フェードと自在に打ち分けるショットに「あれだけ入る雰囲気を出せるのがすごい」(藤田)というパッティング…。ツアー通算5勝のベテランも「19歳なのに完成されている」と驚きを隠せない様子だった。

 父が日本人、母がフィリピン出身のハーフ選手で、これだけの逸材にもかかわらず、熱心なゴルフファン以外にはあまり知られてこなかった。日本とフィリピンの二重国籍で、アマチュア時代はフィリピン代表としてプレーしていたからだ。

 代々木高2年だった一昨年のアジア大会(ジャカルタ)では古江彩佳(20)らの日本代表を抑え、個人、団体と2つの金メダルを獲得。昨年の「オーガスタ女子アマ」では安田祐香(19=NEC)と並んで3位に入るなど、1学年上のミレニアム世代と互角以上に渡り合ってきた。

 そして、プロになった今季は国内開幕戦で5位となったのに続き、2戦目で初優勝。笹生は「まだ優勝したなという感じはなくて、もう少し時間がたったら気持ちが出てくるんだと思います」。そんな初々しい言葉の一方で「米女子ツアーに行って世界一になりたいです」と大きな目標をはっきり口にする。昨年11月から指導する尾崎将司(73=I.S.T)も「パワーとスピードを兼ね備えた体を作り上げた本人の努力以外になし」と教え子のVを祝福した。

 もちろんその努力は長い時間、積み重ねてきたもの。例えば、日々のランニングはプロを目指すと決めた小学校3年生のころから。「(新型コロナウイルス禍で)今は外に出ていないので、走っていないんですけど、それまでは片道30分を歩いて行って、そこで1時間走っていました」。雨が降っても、体調が悪くても、10年以上毎日走ってきたという。

 優勝インタビューで「日本の心を持って頑張りたい」と話したように将来的には日本国籍を選択する予定だが、来年夏に延期となった東京五輪にはアマチュア時代と同じくフィリピン代表として出場を目指す。今大会前の時点で世界ランキング221位は同国トップ。この優勝でランクの大幅アップは確実で、さらに代表に前進した。

 日本では畑岡奈紗(21=アビームコンサルティング)、渋野日向子(21=サントリー)らが代表争いを繰り広げている。ただ、本番ではその前に大きく立ちはだかるライバルの一人になりそうだ。