韓国メディアが北京五輪のフィギュアスケート男子を特集し、日本代表の羽生結弦(27=ANA)と米国代表のネーサン・チェン(22)による激闘を展望した。

 韓国紙「東亜日報」は「ジャンプ力のチェンVS演技力の羽生」と大々的に特集を展開。これまでの実績や現状などを分析した。

 同紙はまずチェンを本命視。「チェンは国際スケート連盟(ISU)の世界選手権で2018、19、21年と3連覇している(20年は開催中止)。グランプリファイナルでも18年から20年まで3連覇するほど技量が成熟したという評価を受けている」と近年の実績が群を抜いていると強調。技術面でも「チェンは4回転ジャンプの実戦での成功率が高い。フリップ、ルッツ、ループ、サルコー、トーループと5つの4回転ジャンプができる」とジャンプ技術の高さを指摘した。そしてチェンが「(ジャンプを間違える)愚かなことはいつでも起こる。しかし、私にそのようなことが起こるのか? ノーだ」と自信をみなぎらせているメンタル面の充実ぶりも評価した。

 一方の羽生に関しては「五輪を2連覇し、羽生はジャンプも安定して表現力にも優れている。スケートの基本がしっかりしている」と五輪王者として高く評価。しかし「足首の負傷で8か月ほど休み、今季のグランプリ2大会に出場しなかった」と不安を指摘した。そのうえで「羽生はチェンに対抗するために、誰も実戦で成功していないクワドラプルアクセルジャンプを武器にして五輪に出る可能性が高い。ただ日本選手権でも、羽生はクワドラプルアクセルを試みたが回転数不足でダウングレード判定を受けた」と4回転半ジャンプの成否が金メダルの行方を左右すると予想した。

 韓国メディアは現在の状況からチェンがやや優勢との見立てだが、本番での勝負の行方はどうなるか。