フィギュアスケートの北京五輪代表選考会を兼ねた全米選手権(8日、テネシー州ナッシュビル)の男子ショートプログラム(SP)で世界王者のネーサン・チェン(22=米国)が国際スケート連盟(ISU)非公認ながら米国記録となる驚異の115・39点をマークし、首位発進した。

 英紙「ガーディアン」は、好記録を叩き出したチェンについて「素晴らしいフットワークとスピンのパフォーマンスを示し、国内外のすべてのライバルにメッセージを送った」とし「チェンは最後に4回転ルッツ―3回転ト―ループを成功させ、視線を集めたとき、プログラム全体を通してリラックスし、自信を持っているように見えた」と大絶賛した。

 チェンは2月開幕の意北京五輪で金メダルを争う羽生結弦(27=ANA)のライバルとして知られている。同紙は「チェンと羽生が五輪で注目されている」と、男子は事実上の一騎打ちと指摘。その上で「近代五輪で(2連覇中の羽生が狙う)3連覇をした選手は誰もいない。(2018年の)チェンはSPに失敗した平昌五輪以降、羽生に負けていない。羽生は日本の大会(昨年12月の全日本選手権)で勝ったが、SPのスコア(111・31)はチェンよりも4ポイントも低かった」と、し、本番ではチェン有利を伝えている。

 また、米国選手権SPではビンセント・ジョウ(21)が112・78点と高得点をマークし、2位につけており、羽生を脅かすライバルが増えたようだ。