10代のロシア少女たちが目まぐるしく台頭するフィギュアスケート女子の世界で、高い技術で大人の女性の魅力をふりまくエリザベータ・トゥクタミシェワ(24=ロシア)を、あの名伯楽が大絶賛した。

 15歳のカミラ・ワリエワ、17歳のアンナ・シェルバコワにアレクサンドラ・トルソワ…。ロシア少女軍団の強さは圧倒的で、平昌五輪女王の19歳アリーナ・ザギトワは候補にも入らないほど。そのなかで一人、妖艶さを増しているのがトゥクタミシェワ。2015年の世界選手権を制したが、その後も成長中。トリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を武器に、スケートカナダでは2位に入った。

〝大人スケーター〟を大歓迎しているのがスケート羽生結弦(ANA)らトップを指導するブライアン・オーサー氏だ。ロシア「チャンピオナット」のインタビューでトゥクタミシェワの活躍に拍手。

「トゥクタミシェワは、地球上のすべてのスケーターに希望を与えている。なぜなら、彼女はもう若い〝女の子〟ではなく、若い〝女性〟であるにもかかわらず、向上し続けているから。どうして彼女を忘れることができるだろう。彼女が一番好きだ、彼女が最高だ、と書いてください」と、年齢に負けず、異彩を放つ24歳を絶賛。「彼女と、コーチのアレクセイ・ミシンとの仕事は素晴らしい。私は彼女が北京五輪に出場することを心から願ってる。彼女は北京五輪代表に入らなければ」と激戦区のロシア代表を勝ち取ってほしいとまで語った。

 確かに、少女のころはバンバン高難度ジャンプを跳べたが成長とともにすぐにトップでいられなくなる競技では、存続の危機を招きかねない。トゥクタミシェワを声援する声は、大きそうだ。