愛されキャラは健在だ! 日本の女子陸上選手で初めて五輪4大会連続出場を果たした福士加代子氏(40)は、1月の「大阪ハーフマラソン」を最後に現役から退いた。約20年間にわたってトラック、マラソンの両種目で女子陸上界をけん引。持ち前の明るさでも注目を集めてきたレジェンドが本紙の単独インタビューに応じ、自身の生きざまが凝縮された競技人生を回想。さらには、第2の人生プランを〝福士節〟を交えながら明かした。
――競技生活お疲れさまでした
福士氏(以下、福士) ありがとうございます。ちゃんと引退発表をして、最後まで走り切れてよかったです。しんどいこともあったけど、しんどいながらも楽しかったですね。あとは陸上が好きだな、走るのが好きだなということに気づけました。
――素直に感情を表現する姿が印象的
福士 走ることで自分を表現できました。普段はそんな素直なタイプではないですが、走ることに関してはウソがつけなくて。ストレス発散も走ることでしたし、ストレスがたまるのも走ることだったので、走ることで今の自分の状態が分かりましたね。例えば、うまく走れないときは悩んでいたりとか、逆に子供たちと今日楽しいなと考えながら走るときの方が意外にぴゅーんと走れましたね(笑い)。
――ユーモアあふれる発言の数々も素直なものだったのか
福士 実際のところそうですね。私は狙ってやっていないけど、たまたま出ちゃうんですよ。今は現役を引退して、みんなそこに期待しているところがあると思いますが、あれはその場面ごとの素直な感情だったので、二度とそういう面白いことはできないんじゃないかなと思います(笑い)。
――思わず素直な言葉が出た瞬間は
福士 一昨年の全日本実業団対抗女子駅伝(クイーンズ駅伝)ですね。(ワコールの)アンカーで最後の100メートルで抜かされて4番になったときに、抜いた選手に向かって「抜くんじゃね~よ、空気読めよ~」みたいなことを言いにいきました(笑い)。でも発したことで自分の中でもすっきりしましたし、その選手と仲良くなれたので、意外と素直に言うのも悪くないなと。まあ負けた私が悪いんですけどね…。
――生まれ変わっても長距離をやりたいか
福士 うーん、生まれ変わるならもっと足の速い100メートルの選手になりたいですね。レースも早く終わるし、あんなのスーパーヒーローじゃないですか。見ていて超カッコいいですもん。ウイニングランとかもね。やっぱり生まれ変わったら短距離の選手ですね。
――引退後の生活リズムは
福士 会社(ワコール)に行って勤務をしています。あとはゲストマラソンや地元・青森県板柳町の「りんごの里板柳応援大使(りんご大使)」になったので、りんご大使が行う、かけっこ教室などに参加予定です。あとは計画中なのですが、自分が主催のような形でマラソン大会ができたらなと思っています。
――ワコールの陸上部ではアドバイザーの立場となった
福士 まだちょっと会社でバタバタしているので、チームの練習をあまり見られていません。私は注意ぐらいしかできないと思うし、指導も大してできないと思いますが、見てみようかなという気は起きていますね。
――将来的な監督就任はあるのか
福士 名前だけだったら、なんぼでもやりますけど、正直何をしたらいいのかを見てみないと分からないですよね。今は選手の目線しか持っていないので、勉強中です。
――今後は社内に託児所をつくりたい
福士 ワコールの後輩たちに子供好きがいるので、託児所があれば陸上部のみんなで遊びに行ったりできるじゃないですか。そして(子供たちが)大きくなったらワコールの会社や陸上部に入ってくれるような地域密着型の還元ができたら面白いかなと思います。
☆ふくし・かよこ 1982年3月25日生まれ。青森・板柳町出身。高校から陸上を始め、2000年に永山忠幸監督(当時)の誘いを受け、ワコールに入社。02年に3000&5000メートルで日本新記録(当時)をマークして頭角を現すと、04年アテネ五輪に1万メートルで出場を果たす。その後はトラック種目で08年北京五輪、12年ロンドン五輪に出場。08年から挑戦したマラソンでは、13年世界選手権で銅メダルを獲得。16年リオ五輪の舞台にも立った。今年1月で引退。












