次は波に乗る!? スノーボード男子ハーフパイプで北京五輪金メダルの平野歩夢(23=TOKIOインカラミ)が、新たな目標を模索している。2018年平昌五輪後はスケートボードに挑戦することを表明して昨夏の東京五輪に出場。夏冬の〝二刀流〟は大きな話題となり、早くも4年後に向けてどのような道を歩むのか注目が集まっている。そんな中、王者に熱視線を送った「ある競技」とは――。

 日本スノーボード史上初の快挙から1か月。平野は18日に帰国後初めて都内で会見を行い「いろんな人から感動したという言葉をもらって、最近そういう(金メダルを獲得した)気持ちを改めて実感し始めた」などと心境を語った。トリプルコーク1440(斜め軸に縦3回転、横4回転)を決めて逆転Vを飾った大舞台は「忘れられない記憶の一つになった」と振り返った。

 昨夏の東京五輪ではスケートボード・パーク代表として臨み、〝二刀流の挑戦〟が話題になったが、2024年パリ五輪もスケボーで出場を狙うのか。平野は「(スケボーは)東京五輪で初めて正式種目になったことがきっかけで始めた部分もあった」と説明。続けて「全く同じような形を選ぶというよりは、ほかにやっていけるものが何なのか。この4年間以上のものが、どこにあるか探したり、考えてまた違った姿を見せられたら」とアプローチを変えることを示唆した。

 するとスノーボード、スケボーに続く横乗り競技・サーフィンへの興味まで問われ「新しい技にも次の冬の五輪にもチャレンジしていきたいし、新しいことにも向き合いたい」と26年ミラノ・コルティナダンペッツォ五輪を視野に入れていることを明言し、新たな挑戦も完全に否定しなかった。ただ大会後はボードに乗る機会がほとんどなく、再始動のタイミングも「今は考える時間になっていて、その考えが自分の中でまとまり次第、動きたい」と話すにとどめ、4年後に向けたプロセスは未定だ。

 こんな金メダリストの姿勢に、サーフィン界がさっそく反応した。日本サーフィン連盟の宗像富次郎副理事長は「(話題にしてくれて)うれしいです」と喜んだ。東京五輪で五十嵐カノア(木下グループ)が銀メダルを獲得したこもあって、サーフィン人口の増加を肌で感じている同氏は「その分、連盟としてはルールやマナーを徹底していかないといけません」と気を引き締める。

 その一方で、ある連盟関係者は「スノーボードとサーフィンの両立は面白いと思う。特にハーフパイプの空中姿勢はサーフィンのエアリアル(エアー)の姿勢と似ている」と指摘。さらに「どちらも体幹が大事。平野歩夢選手がサーフィンに挑戦してくれたら、これまで以上の注目になるだろうし、うれしい限り。こちらは『ぜひ、お待ちしています』というスタンス」と気の早い期待を寄せた。

〝二刀流挑戦〟や北京五輪で見せた圧巻の演技で世界を驚かせた平野が、さらなる新境地開拓で大注目を浴びる日はやって来るのだろうか。