東京五輪に臨む韓国選手団が大会中の食事に関し、福島県産の食材を拒否し、独自に弁当を手配すると、韓国紙「東亜日報」など、複数メディアが報じている。

 各メディアによると、選手村での食事には2011年に原発事故が起きた福島県で生産された食材としてトマトやキュウリなどをはじめヒラメやカツオの魚類、鶏肉、豚肉のなどが使われていると指摘。また、食材の原産地が表記されないことから選手団は独自に食事を準備することになったという。

 そこで選手村から近いホテルを借り切り、弁当をつくって毎日、選手団に届ける予定で、29種目232人の選手のため、1日2食で400個以上を提供する。調味料をはじめキムチなどの加工食品も韓国から持ち込むとし、肉類は日本産ではなく、オーストラリアとニュージーランド産を購入する。「野菜や魚をはじめ福島県で生産された食材はすべて避けることにした」とも伝えている。

 福島県産の食材はしっかりと検査し、安心であることが証明されており〝難クセ〟を付けているかのようにも思えるが、韓国ではこれまでも同県産の食材に懸念を示しており、強い抵抗感があるようだ。また、大会中のホテルの賃貸や食材関連費用として計17億4000万ウォン(約1億6700万円)を使う予定という。

 韓国選手団の関係者は「セシウム測定器も準備し、調理過程で食材に濃縮された放射能の量も細かく点検する予定だ」とし「決められた予算範囲で各種目を支援するので1日2食まで。弁当だけですべての食事を提供することはできないが、最大限安全な食事を提供する」と話したが、波紋が広がりそうだ。