英紙が東京五輪中止を求める「日本医療界の怒り、嘆き、憎悪」を特集

2021年05月03日 21時00分

海外メディアが東京五輪への厳しい声を特集した

 英高級紙「ガーディアン」は、新型コロナ禍の深刻化により日本の医療界で東京五輪に対する「憎悪」が増幅していると厳しく糾弾した。

 同紙は、東京オリンピック・パラリンピック組織委員会が日本看護協会に対して大会期間中の医療スタッフとして看護師500人の確保を要請し、菅義偉首相もその方針を支持している問題を特集。この件に関して医療従事者が激怒する声を取り上げた。

「東京五輪の主催者は、500人の看護師にボランティアを依頼して日本の医学界に〝怒り〟を引き起こした」と指摘する同紙がまず紹介したのが、日本医療労働組合連合会(医労連)の森田進書記長の声だ。

「深刻なコロナウイルスのパンデミックとの闘いに従事している看護師を、五輪にボランティアとして派遣するという提案をやめなければならない。私は、患者と看護師の健康と生命へのリスクにもかかわらず、五輪の開催を主張することに激怒している」と日本国民の生命を危険にさらそうとしている政府や東京都、大会組織委員会に対して怒りをあらわにした。

 また同紙は、最前線で働く医療従事者の声として名護市で働く看護師のコメントも報道。「怒りを感じるだけでなく(要求の)鈍感さに驚いた。それは人間の生命がいかに軽視されているかを示している」と暴走を続ける東京五輪の主催者に向けて悲痛な叫びを上げた。

 そして東京都医師会の尾崎治夫会長が、日本でより感染力の高い新型コロナウイルスの変異種が蔓延しているため五輪の開催は「非常に難しい」との見解を示したことも併せて報じた。

 こうした医療界の声を踏まえ「こうした要請は、国際オリンピック委員会(IOC)や主催者が、日本でパンデミックが悪化し続けているにも関わらず、このイベントが疲れ果てた医療従事者に耐え難い負担をかける可能性があるという警告だ」と同紙は断罪した。

 日本を医療崩壊へと導いているといっても過言ではない東京五輪。開催を強引に推し進める主催者たちは、開催強行により失われる多くの国民の生命に対してどう責任を取るつもりなのだろうか。

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