無欲と悔しさでつかんだ初Vだ。スポーツクライミングの「第16回ボルダリングジャパンカップ」最終日(31日、東京・駒沢屋内球技場)、女子の決勝が行われ、森秋彩(17=茨城県山岳連盟)が初優勝を果たした。

 同日に行われた準決勝はギリギリの6位での通過だったが、決勝では高難易の第3課題をクリアするなどファイナリスト唯一の4課題全完登。堂々の栄冠となった。

 しかし圧勝での優勝も「びっくりした。うれしかったんですが、私が優勝していいのかな。(予選、準決勝と違って)自分の得意な課題がたくさん出たのでそれが理由なのかな。決勝(進出も)もギリギリだったので順位は考えずに楽しもうと思った」と〝無欲〟で挑んだことが奏功した。

 東京五輪の代表選考では国際スポーツ仲裁裁判所(CAS)の裁定により、代表への道を閉ざされた。「あの悔しい思いは大きい。原動力になった」と無念さをバネに即結果に結びつけた。

 視線はすでに2024年のパリ五輪に向いており「今回優勝できて自信につながった。これをモチベーションにパリの表彰台を目指したい」と語るように、最高の再スタートとなった。