またも「東京五輪中止」のウワサが関係者の間を駆け巡った。新型コロナウイルス感染拡大以降、幾度となく「五輪中止」のキーワードがネット上に流布したが、今回ばかりは事実だと信じる人が多かったようだ。

 事の発端は21日のニュース。一部メディアが「国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長が11月中旬に来日」と報じると、複数のネットユーザーが「中止を告げに来る」と騒ぎ始めた。主な目的は菅義偉首相(71)との会談だが、IOCの〝お膝元〟欧州が再び深刻なコロナ禍にあるという理由も手伝って、翌日(22日)には中止決定の〝情報〟がまことしやかにツイッター、ユーチューブなどで流れる事態となった。「五輪中止」はトレンド入りし、週末には橋本聖子五輪相(56)も「全くありません」と否定し、例によって関係者は火消しに奔走した。

「11月からチケット払い戻し開始」の報道も騒動に拍車をかけた。東京五輪延期決定の直後から大会組織委員会は「日程変更で観戦できない人への処置」として今秋の払い戻しを公言していたが、今回はタイミングが悪かったようだ。

 とはいえ中止騒動が広がったことで、複数の大会関係者はIOC幹部や広告代理店役員らに〝取材〟して事実を確かめたという。実際にIOC幹部から「絶対にない」と断言された人もいるが、同時に「ゼロに近いが、中止を視野を入れているのも事実」と漏らした関係者もいたとか。実のところ、すべてはコロナ次第。「どうなるか誰も分からない」というのが最も正解に近いかもしれない。

 バッハ会長の来日が正式決定したら、五輪関係者は再びザワつくことになりそうだが…。