新型コロナウイルスの影響で収入が減った人は多い。各家庭の家計にも変化が表れている。

 生命保険会社の明治安田生命が「『家計』に関するアンケート調査」(20~79歳の既婚男女1620人)を行い、昨年同時期と比べたコロナ禍の家計への影響について発表した。

 同社は年収・出費・貯蓄・おこづかいについて、アンケートを実施。

 年収が既にダウンしたと回答した人は「自営業・自由業」が一番多く32・3%。次いで「パート・アルバイト」が24・5%だった。コロナ禍で、飲食店などの接客業を中心に打撃を受けていることが分かる結果となった。

 さらに、出費については外出自粛やテレワークの影響を受けて水道代や光熱費、食費が増加したものの、外食の機会や交通費・被服費・美容費などの費用が減少したことにより、支出全体に対して「変わらない」と答えた人が約6割と最も多かった。だが、貯蓄には変化が見られ、同社の調査では年々増加傾向にあった貯蓄額は昨年から173万円減少し、1339万円となった。要因としては自営業やアルバイトの年収減少が大きかったようだ。

 そうした背景から夫婦の月平均お小遣いでは、妻は1800円増加し2万827円となったものの、夫は1700円減少した3万2061円となっていた。

 こうした状況に明治安田総合研究所フェローチーフエコノミストの小玉祐一氏は「コロナ禍での厳しい家計の状況が浮き彫りになった。『感じる』だけでも財布のひもが固くなるのは避けられず、景気への悪影響が懸念される。また、貯蓄額の大幅減少は、支出以上に所得が減少したことを示しており、ここにも家計の苦境が表れています。こうしたなか、お父さんのおこづかいが減らされたのも仕方ないと言えるでしょう」と話す。

 コロナ禍では安定した生活を送ることが一層難しくなっているようだ。