健康で長生きしたいのは誰しもの願いだろう。そして長生きした後はコロリと死んで誰にも迷惑をかけたくない…なんていうのは中高年にとって、ある種の理想で、ピンピンコロリと呼ばれている。それを願って各地にはポックリ寺やポックリ地蔵があるという。
【死ぬときはコロリと逝きたい!】
「ピンピンコロリ」という言葉もずいぶん浸透してきた。できるだけ健康で長生きして、もし亡くなるときはコロリと逝き、寝たきりなどで家族には迷惑をかけない、という意味だ。
「ピンピンコロリ願望って昔から強いんですよ。健康志向が一般的になった最近だけじゃありません。その証拠に、全国にそれを売り物にしたお寺があって、ポックリ地蔵なんて名前で頼りにされています」と教えてくれたのは、体調を把握するバイオデータの検出システムなどヘルスケア機器の開発ベンチャーであるサルーステック・小川博司社長だ。
例えば龍泉寺(東京・八王子市)の聖観世音菩薩は「ポックリ観音さま」と呼ばれることが多いと言う。水崎観世音とも呼ばれるが、この観音様に祈願すると下の世話にならずに、寝込むことなく寿命の尽きるときまで健やかに暮らすことができると、いつの頃からか言い伝えられ、多くのお年寄りから親しまれている。
小川社長によれば、この類いのご利益をうたうお寺は全国各地にあるそうだ。著名なものを次にまとめた。
著名なスポット(順不同)
石光寺の傘堂 奈良県葛城市
阿日寺(ポックリ寺)奈良県香芝市
吉田寺(ポックリ寺)奈良県斑鳩町
即成院(ポックリ寺)京都府京都市
八事山興正寺の大隨求明王(ポックリさん)愛知県名古屋市
釈迦院(ポックリ寺)熊本県八代市
鹿島神社のポックリ地蔵 茨城県取手市
長谷堂ころり観音 山形県山形市
法泉寺(ポックリ寺)鳥取県鳥取市
会津コロリ三観音 福島県会津エリア
西善寺(ポックリ寺)埼玉県横瀬町
郷照寺のポックリ地蔵 香川県宇多津町
伽耶院のポックリ地蔵 兵庫県三木市
ピンコロ地蔵 長野県佐久市
【実は難しい】
ポックリ寺がこれだけ全国に多いのは、中高年になると周囲の高齢者を見て「自分は寝たきりになりたくない」と願う人が昔から多いからだろう。逆に言えば、それだけピンピンコロリ願望をかなえるのは難しいということでもある。
「日本人の平均寿命はどんどん伸びて男女とも80歳を超えています。しかし実は、人の助けを借りることなく自分一人で生活できる期間、これを健康寿命と言いますが、平均寿命よりかなり短いのです。その差は男性で9年、女性で12年ほどあります」と小川社長は言う。
つまり、寝たきりなど不自由を強いられる期間が10年前後というのが我々の平均的な晩年ということになる。ピンピンコロリは難しいのだ。
難しいからこそ、多くの人が健康で長生きして、死ぬときはコロリと逝くことを望むわけである。そこで次回は小川社長に、どうすればピンピンコロリをかなえることができるのかについてのヒントをうかがうことにする。












