積水ハウス事件の地面師3人 16年の新橋資産家失踪事件にも関与?

2018年10月23日 17時00分

 積水ハウスが架空の土地取引で約55億円をだまし取られた事件で、警視庁捜査2課が地面師グループの強制捜査に乗り出して23日で1週間。逮捕者は9人に上り、さらに増えるとみられる。すでに逮捕された“地主の運転手役”佐藤隆容疑者と“スカウト役”秋葉紘子(こうこ)容疑者、そしてフィリピンに逃亡した主犯格で“コンサルタント役”カミンスカス操(みさお)容疑者の3人に新橋資産家失踪事件の関与疑惑も浮上している。

 捜査関係者は「新橋資産家女性失踪事件でも、変死体で発見された地主の高橋礼子さんの土地が無断で地面師グループによって売られていた。佐藤は土地を売買した不動産会社の代表。秋葉は高橋さんの“成り済まし役”。積水事件の逮捕をきっかけに捜査2課は、新橋資産家失踪事件の解明も急いでます」と語る。

 新橋資産家失踪事件とは、2016年3月、東京・新橋の土地を所有していた大地主の高橋さん(60=当時)が突然失踪し、同年10月に自宅近くの通路で白骨死体として発見された事件だ。

「死体発見当初、警察は『事件性はない』と発表しましたが、失踪前に高橋さんは周囲に『私は土地なんか売ってない。印鑑も押してない』と話していたんです。でも、高橋さんが所有していた時価総額約6億円の土地が地面師グループによって売買されていたんです。事件性がないわけありませんよ」と事件事情通。

 高橋さんは新橋に推定15億円の土地を持つ資産家で、以前から印鑑や免許証を偽造して土地をだまし取る地面師グループに狙われていたという。前出の6億円の土地はその一部とみられる。

 捜査関係者は「高橋さんの失踪後に、ある女が高橋さんのパスポートを偽造して本人に成り済ましたとみて、捜査2課は女の行方を追っていたんです。その成り済まし役が今回、積水事件で(成り済まし役を)スカウトした秋葉です」(捜査関係者)

 また昨年11月には、大手ホテルチェーンを運営するアパグループの不動産会社「アパ」が13年ごろに12億円を詐取された詐欺事件で、赤坂の土地をだまし取ったとして、地面師グループの成り済まし役の80代の男2人らが警視庁捜査2課に逮捕された。秋葉容疑者は、その2人の“世話役”を演じたとして、捜査2課からマークされていた。

「74歳の秋葉容疑者は、新橋資産家失踪事件では60歳の高橋さんに成り済まし、アパの詐欺事件では成り済まし役の世話役。積水ではスカウト役。まるで、演技派女優ですよ。今回、監視役で逮捕された佐藤容疑者は新橋資産家失踪事件では、不動産会社の代表でした」(前出事情通)

 高橋さんの土地は最終的にはNTT系の不動産会社「NTT都市開発」が取得したが、それ以前には佐藤容疑者が代表を務めていたKという会社が所有していた。

「この土地はKの前に目まぐるしく所有権が移転されている。捜査2課は高橋さんが失踪した間に地面師詐欺が行われたとみています。この土地売買にも、カミンスカスの名前は挙がっていたんです。彼はKのバックにいる暴力団の元関係者だったからです」(前出の捜査関係者)

 積水事件では、既に別件の詐欺で服役している大物地面師のXが立案者だとみられているが、Xも新橋資産家失踪事件への関与が疑われていた。

 同捜査関係者は「Xが別件で逮捕されたのは去年の4月。Xは積水ハウスとの契約の半年前ほどに、(架空取引に使われた)旅館の跡地に目をつけて地面師のメンバーを集めたとみられてます。新橋資産家失踪事件時もXは保釈金を払って、シャバにいたんです。この事件でも主犯格だと捜査2課はみていますよ」と指摘している。