【石原結實 病気を吹き飛ばす食図鑑】アルメニアからイランにかけてが原産地。

「緑黄色野菜の王様」と言われる如く、野菜の中では抜群の栄養素、薬理効果を誇っている。人参と同様、多量に含まれる「βカロチン」は抗酸化作用が強力で、動脈硬化、ガン、老化…等々、「万病」の予防効果を発揮する。

 造血に必要な「鉄」「マンガン」などのミネラル、「葉酸」や「ビタミンC」も多く含み、女性に多い貧血の改善や予防に格好の野菜である。

 また、リジン、トリプトファンなどの動物性タンパク質に特徴的な必須アミノ酸が含まれるので「タンパク食品」としての価値もある。

 豊富に含まれる食物繊維は、整腸効果を高め、便通をよくして、腸内にだぶついているコレステロール、脂肪、糖、塩分、発ガン物質を大便として排泄し、生活習慣病(高脂血症、糖尿病、高血圧、大腸ガン…)の予防、改善に役立つ。

「クロロフィル」(濃い緑色を作り出す色素)は血液中の有毒物(とくにダイオキシン)の排泄を促進することが知られている。

「含有成分のシュウ酸が結石を作る」などと言われたこともあったが、「1日10束(約3キログラム)のホウレンソウを生のまま1か月食べ続けた場合、結石ができる」のであって、1日100~200グラムのホウレンソウを毎日食べても全く心配なし。

<民間療法>

 ①のぼせ・高血圧・頭痛…ホウレンソウをゆがいてゴマ油で炒めて毎日食べる。足を温め血流をよくして奏効する

 ②便秘…リンゴ1個(約250グラム)とホウレンソウ(200グラム)を刻んでジューサーにかけてできる生ジュース(340cc・コップ2杯弱)を朝・夕、愛飲する。抜群の効果あり。

 ◆石原結實(いしはら・ゆうみ)1948年、長崎市生まれ。医学博士。イシハラクリニック院長として漢方薬と自然療法によるユニークな治療法を実践するかたわら、静岡・伊豆でニンジンジュース断食施設の運営を行う。著書は300冊超でベストセラー多数。最新作は「『空腹』の時間が病気を治す」(青萠堂)。