政府は29日、新型コロナウイルスのオミクロン株の派生型BA.5による感染急拡大を抑えるため、都道府県が自主判断で発信できる「BA.5対策強化宣言」を新たに設けると発表した。高齢者や基礎疾患を持つ人に混雑した場所への外出を控えるよう要請するほか、ワクチンの早期接種を呼びかける。国は都道府県の対策が円滑に進むよう支援する。

 岸田文雄首相は29日、共同通信などとのインタビューで「従来型の一律の行動制限は考えていない。用意した体制をフル稼働させ、社会経済活動を動かしていく」と述べた。

 現段階で政府が一律の行動制限等を出さないとしたことで、飲食店が再び、経営危機に立たされている。

 今春、全国でまん延防止等重点措置が解除。時短営業の要請もなくなった。酒類を提供する飲食店業者は客足の戻りを期待したが、はかばかしくない。

 東京・銀座の居酒屋店主は「感染の温床が飲食店とされた第6波と異なって、第7波は学校や自宅での感染が目立つということで、政府は飲食店への制限を出さないと発表しました。つまり、協力金をあてにできない。8月は客足が遠のく。客が戻ってこなくなった飲食店は、これまで以上の死活問題に直面しています」と語る。

 2年前、新型コロナ感染が広まって、緊急事態宣言が発令され、飲食店などに臨時休業や時短営業が要請されてきた。政府や都道府県は、応じた各店舗に協力金を支給してきたことで、飲食店は急場をしのいだという。

「まん防の解除後、時短もなくなり、客足が戻ると思ったら、3割ほどしか戻らない。近くの小料理店や居酒屋も似たような状態だという。お客に聞いてみたら、コロナ禍で家飲みに慣れてしまって、仕事が終わるとそのまま帰る習慣がついてしまったというんです。時短要請協力金があれば、少しは助かるんです。このままなら、8月は“魔の月”になりますよ」と言うのは江東区の日本料理店の経営者。

 飲食店の反発を呼んだ営業規制だが、結果的に業者を“潤す”一面もあった…。