4日夜に行われた第24回冬季オリンピック北京大会の開会式は、幻想的なグラフィック映像や花火が豪華に使用され、最新のテクノロジーを駆使した演出が目立ち、おおむね好評だった。その一方で、演出の中には「一つの中国」についての政治的なメッセージも含まれていたと話題になっている。

 まず世界を驚かせた演出は、聖火リレーの最終ランナーを務めたのが、スキー女子クロスカントリーの中国代表選手で、新疆ウイグル自治区出身のウイグル族のジニゲル・イラムジャンだったこと。ウイグル族に対する弾圧は欧米などの非難を浴びているからだ。

 さらに政治的演出が行われたとみられるのは「雪の結晶とハト」をテーマに地元小学生が登場したシーンだった。数百人の小学生たちが平和の象徴であるハトのオブジェを手に、雪の結晶のもとに集まっていくという内容だ。

 ユーチューブチャンネル「地球ジャーナル ゆあチャン」で日中の情報を発信している中国人ジャーナリストの周来友氏はこう語る。「このシーンの中では、ハトのオブジェを持った児童の1人が道に迷い、雪の結晶のもとに集まることができないというシーンがありました。その後、別の児童が道に迷った児童の手を携え、全てのハトが集まることができました。これはトラブルではなく、演出の一環だったといわれています」

 中国のネットには「ハトの演出は台湾が中国に早く帰属してほしいという願いが込められている」という意見が相次いで寄せられている。

 中国共産党系の政治派閥・中国共産党青年団の公式ウェイボー(中国版ツイッター)に「迷子になった子供が家に帰ることができた」という文章が投稿されている。

 周氏は「暗に台湾のことを示しているというのです。また、演出の中ではハトたちが東南方向、つまり北京から見た台湾の方角を一斉に向く様子もあることから、台湾の中国への帰属をアピールする意図が込められていたことが分かるといわれています」と指摘する。

 世界中の注目が集まる五輪開会式で、そんな大胆に政治的メッセージを発するとは…。