韓国の駆逐艦が日本の哨戒機に火器管制レーダーを照射した問題がこじれてまくっている。日本側は照射されたことを証明するために、受けた側と照射した側のレーダーの周波数のデータを突き合わせようと求めたが、韓国側はこれを拒否。日本に謝罪を要求し続ける“暴挙”と思われる対応をしている。韓国は、なぜ以前よりもまして高圧的な態度に出ているのか? 専門家に聞いてみると、あきれた理由が3つも出てきた。それは――。

 日韓は14日にシンガポールで実務者協議を開催。これについて韓国国防省の報道官は、15日の会見で「日本は我が軍艦のレーダー情報全体についての開示を要求した。受け入れが難しく、大変無礼な要求だ。日本が非紳士的な行動を続けていることに深い遺憾の意を表明する」と話した。

 防衛省は16日、今回の実務者協議について韓国側が誤った情報を発表したとして、韓国大使館の駐在武官を同省に呼び抗議した。宣戦布告にも等しい火器管制レーダー照射を受けた被害者の日本は証拠を挙げての話し合いをしようとしているのに、加害者の韓国は感情的な対応を繰り返している。

「300枚のユニークな広告が語る こんなに明るかった朝鮮支配」を著した文筆人の但馬オサム氏は理由を3つ挙げた。
「まず1つ目は、いつもの開き直り。つまり、図星を突かれた子供が親や先生にかみつくようなものです」

 2つ目は14日に行われた日露外相会談を見ての判断だという。河野太郎外相と会談したロシアのラブロフ外相は、北方領土がロシア主権下にあると認めることが平和条約交渉の前提だと迫った。

「今回の外相会談では、北方領土を巡り、ロシアに言われっぱなしです。軍事力の担保のない外交の限界をまた露呈しました。これを見て韓国は、今は日本に強気に出ても大丈夫だ、押してやれ、と思ったことでしょう」と但馬氏。

 歴史は繰り返すという言葉が示すように、過去に似た事例があるという。

 但馬氏は「日清戦争後、朝鮮は三国干渉に抗しきれず遼東半島を返さざるを得なかった日本を見限ってロシアにつきました。強い者につく、弱いと思ったら裏切る、これが朝鮮半島の歴史です。李朝も高麗の将軍だった李成桂が祖国高麗を裏切り、建てた王朝です。李成桂は高麗王の一族郎党を皆殺しにして、その首をもって明の皇帝に恭順しました」と言う。

 3つ目は、「いよいよ文在寅政権が日本を仮想敵国とする決意を固めたということです」と但馬氏。

 韓国は2年ぶりに、国防白書を改定したが、そこから「北朝鮮は敵国」と「日韓は価値観を共有する」という文言が消えた。しかも、韓国ではここ数年、経済失速と反比例するように防衛費が急増しており、19年度は8・2%増。数年で日本を追い抜くという試算が出ている。日本の場合、防衛費の負担で大きいのは人件費や糧食費などの業務的経費だが、徴兵制の韓国はその負担は少ないわけで、そう考えれば、純軍事費は既に日本と肩を並べているといっていいだろう。

「それまで敵国としていた北朝鮮と融和ムードにある中、この異常な防衛費の伸びは、どう考えても日本を意識しているものとしか見えません。むろん、韓国は核を持ったままの南北統一を視野に入れているでしょう。核を手に入れれば、日本なんかいくらでも恫喝できると思っている。南北が協力して日本に核ミサイルを撃ち込む映画が空前のヒットをしたり、男性アイドルが長崎原爆のきのこ雲のTシャツを着ておちゃらけるような国です」と但馬氏は指摘する。

 隣国とは仲良くすべしと甘い対応を取ってきた日本だが、これからは敵国として厳しい目で見る必要がありそうだ。