スペイン1部レアル・マドリードが、大争奪戦となっていたドイツ1部ドルトムントのノルウェー代表FWエーリングブラウト・ハーランドの獲得を断念した。

 ハーランドを巡っては欧州各国のビッグクラブによる争奪戦が展開され、イングランド・プレミアリーグのマンチェスター・シティーとともにRマドリードも有力候補となっていた。

 しかし、スペインの移籍専門メディア「フィチャージェスネット」は「Rマドリードは、今夏のハーランド獲得を断念した。彼らは契約を巡る競争に勝てないと判断したようだ」と争奪戦から徹底を決めたと報じた。

 同メディアは、Rマドリードがハーランド獲得を断念した背景として4つの理由を挙げた。

 まずは「近年ケガが多いことは、長期的な影響について疑問を残している。クラブは多くの試合を欠場する可能性があると考えている」と負傷が多い点を指摘した。

 また「マンチェスターCからの投資に対抗することは不可能だ」。ライバルは中東資本を背景にして破格の条件を用意しており、マネーゲームには付き合わないことに決めたようだ。

 資金面に関連して「FWキリアン・エムバペ(パリ・サンジェルマン)との契約がまもなく決定する。DFアントニオ・リュディガー(チェルシー)も加入するため、クラブには資金がない。両方ともかなりの投資を必要とする」と今夏は他にも〝大型案件〟を抱えているため、ハーランドの争奪戦からは撤退せざるをえなくなったのが実情だ。

 ハーランドとポジションが重なるFWカリム・ベンゼマが絶好調なことも大きい。「ベンゼマは今、世界で最高の選手の一人であり、クラブは彼に代わるストライカーは必要ないと感じている。彼がこのレベルでまだ数年間はプレーし続けることができると確信している」と無理してハーランドを獲得する必要がないとの判断だ。

 一時は相思相愛ともみられていたが、Rマドリードの撤退が決まったことでハーランドのマンチェスターC入りが確実な状況となった。