〝ポスト森保〟に外国人監督も浮上だ。日本代表は12日に行われたカタールW杯アジア最終予選オーストラリア戦(埼スタ)で2―1と勝利し、7大会連続のW杯出場へ土俵際で踏みとどまった。負ければ解任濃厚だった森保一監督(53)は首の皮一枚つながったが、進退問題はくすぶったまま。有事の際には外国人の大物指揮官も選択肢になる可能性が出てきた。


 負ければ7大会連続のW杯出場は絶望的、自身の解任も避けられない一戦。そんな大一番で森保監督の勝利への執念が結実した。7日のサウジアラビア戦での〝自爆パス〟で戦犯になったMF柴崎岳(レガネス)の代わりにスタメンに抜てきしたMF田中碧(たなか・あお=デュッセルドルフ)が、前半8分に先制ゴール。正念場で大仕事をやってのけた。

 後半25分にMFフルスティッチのFKで同点に追いつかれたが、土壇場で劇的なドラマが待ち受けていた。41分に途中出場のFW浅野拓磨(ボーフム)が左サイドからシュートを放つと、相手GKの手をはじいてポストを直撃。はね返ったボールがDFベヒッチに当たってまさかのオウンゴール。森保監督にとって広島時代からのまな弟子である浅野が幸運の決勝点を呼び寄せ、最大のライバル撃破の立役者となった。

 自らのクビがかかった〝ギロチンマッチ〟を乗り越えた森保監督は試合後に「進退に関しては、特に今日の試合だけかかっているとは思っていない。代表の監督に就任してから毎試合、毎試合、監督としての道が続くのか、終わるのかという岐路に立っていると思っている。今日の試合で特別、自分の進退について考えることはなかった」と強い覚悟をにじませた。

 しかし、すでに日本は2敗しており、厳しい状況に変わりはない。今後も解任論はくすぶったままで、指揮官の言葉通り毎試合が進退をかけた戦いになる。

 緊急登板の場合はチーム再建の時間が限られているため日本人監督が基本方針。だが、複数の関係者によると「外国人監督のほうがいいのではないかという意見もある」と新たな動きが出てきた。

 この日の勝利でひとまず11月のベトナム戦(11日)とオマーン戦(16日、ともにアウェー)は森保監督が指揮するが、その次の試合は来年1月27日の中国戦(埼スタ)で間隔が空く。その間は代表活動こそないが、チームは新型コロナウイルス禍でオンラインの活用も進めており、外国人監督を招聘しても選手とのコミュニケーション面など十分に準備は整えられる。低迷する代表チーム再建のためには、実績ある外国人指揮官の手腕に期待する声も日本協会内部で根強い。

 そうした中で「何人か外国人の有名監督から売り込みがあるようだ」と欧州事情に詳しい代理人は指摘する。外国人監督からすでに〝逆オファー〟も寄せられているのだ。名将モウリーニョ監督の右腕として活躍し数々のビッグクラブを率いたアンドレ・ビラスボアス氏(43)や、スペイン人の名将で今月ヘタフェの監督を解任されたばかりのミチェル氏(58)は以前から日本代表監督に関心を寄せており、後任候補に挙がってきそうだ。

 ひとまず延命した森保監督。その一方で、ポスト森保に向けた動きはこれから活発化していくことになり、まだまだ予断を許さない。