新日本プロレス真夏の祭典「G1クライマックス」10日広島大会Aブロック公式戦で、前年度覇者オカダ・カズチカ(34)がトム・ローラー(39)を下し4勝目を挙げた。

 総合格闘技の最高峰・UFCでも活躍したローラーの左腕一点集中攻撃に大苦戦を強いられた。ダイビングエルボードロップを腕ひしぎ十字固めでキャッチされ、強烈な打撃も左腕に集められたオカダは、左手の痛みで相手を引き寄せられずレインメーカーを放つことができない。

 NOKTB(後頭部へのニーアタック)は回避してサムソンクラッチで丸め込んだが、なおもスタンディングのアームロックに捕らえられる。それでもオカダは旋回式フロントネックロックに移行しようとしたローラーとショルダースルーで体を入れ替えると、そのままエビ固めで押さえ込み。電光石火の3カウントで辛勝した。

 前戦(7日、大阪)でジョナに連勝を3で止められたオカダだが、連敗は許さずに1敗を守った。ランス・アーチャーとの最終公式戦(16日、日本武道館)を残して4勝1敗で単独首位。アーチャーが現在3勝2敗のため、勝つか引き分けでブロック突破が決まる。

 試合後は「強かった。ジョナもそうですし、初対決の選手と戦って、まだまだね、強い選手はたくさんいるなと思いました。でもね、次やるときはレインメーカーで3カウント、マネークリップでギブアップ取りたいし、そういう勝ち方もしたいなと。まだまだやりたい相手だと思います」とローラーを称賛。アーチャーとの最終公式戦に向けて「簡単な話、勝てばいいってことですよね? ランスもジョナに勝って『どんな勝ち方したのかな?』と思ったら、リングアウトでしょう。そんな選手に俺が負けるわけないよ。米国でどんだけ強くなったか知らないですけど、モンスターブロック最後にふさわしい相手。そして俺が勝って決勝にいきたいと思います」と自信をのぞかせていた。