新日本プロレス19日の札幌大会で、IWGP・USヘビー級王者の棚橋弘至(45)がSANADA(34)に敗れ、ベルトを失った。

 棚橋は低空ドロップキック、ドラゴンスクリューと徹底してSANADAの左ヒザを攻め立てた。さらに掟破りのパラダイスロックを決めると、場外ハイフライフローを決めるなど、王者の意地を見せた。Skull End(変型飛龍裸絞め)に捕獲されながらも、ラウンディングボディープレスはヒザで迎撃して決定打を許さない。

 ドラゴンスリーパーの応酬からツイスト&シャウト、スリングブレイドで攻勢に転じた棚橋は、ハイフライアタックをキャッチされ、TKOでマットに叩きつけられる。さらに背中へのラウンディングボディープレスを浴びたが、2発目は回避。文字通り一進一退の攻防が続く。

 先に勝負に出たのは棚橋だった。打撃の応酬からポップアップ式TKOをスリングブレイドで切り返し、コーナーポストへ一直線。必殺のハイフライフローを繰り出した。だが、これを回避されると、そのままオコーナーブリッジで丸め込まれて逆転の3カウントを奪われてしまった。

 昨年8月の米国・ロサンゼルス大会で同王座初戴冠を果たしたものの、11月大阪大会でKENTAに敗れ、防衛回数1回と短命政権に終わった。1月東京ドーム大会でKENTAとの壮絶な「ノーDQ戦」でラダーからの5メートルダイブを決めて王座返り咲きを果たしたものの、今度は屈辱の「防衛ゼロ」となった。

 バックステージで倒れ込んだ棚橋は「俺が致命的なミスをしたわけないし、してないのに負けてしまった。戦法はよかった。ヒザからいってハイフライで仕留める。それは良かった」と振り返りつつ「あのベルトは俺が米国から持ってきたものだから。なに勝手に王座交代してんだよって、このままだと言われてしまう。すぐに取り返してやるよ!」と豪語。再々奪取への意欲を明かしていた。