ザ・ドラゴンの胸中は? 新日本プロレスは新型コロナウイルスの感染拡大の影響による大会自粛期間を延長し、16日富山・高岡テクノドーム大会からの5大会中止を決めた。この緊急事態を受けたNEVER無差別級王者・鷹木信悟(37)は団体の判断を尊重しつつも、「NEW JAPAN CUP(NJC)」1回戦の相手だった因縁の相手との雪辱戦は断固強行する意思を示した。

 政府のイベント自粛要請を受けて15日までの11大会を中止にしていた新日本プロは、新たに5大会の中止を発表。これにより春の最強決定トーナメント「NJC」の開催が予定されていたシリーズは全て中止となった。さすがに鷹木も「個人的なレベルでどうこうできる話ではない。ファンだけでなく、プレーヤーの俺たちも肩透かしみたいにはなってるよね」と複雑な表情を浮かべる。

 大会再開時期にもよるが、全32選手が出場する大規模なNJCを4月以降にスライドするのか、それともトーナメントそのものが中止になるのかも不透明な状況だ。それでも「どうなるのかは現段階で全く分からないけど、確かなことはオスプレイだけは逃がさないよ」ときっぱり口にした。

 1回戦の相手として決まっていたウィル・オスプレイ(26)とは、昨年6月の「ベスト・オブ・ザ・スーパージュニア」優勝決定戦で対戦。東京スポーツ新聞社制定「プロレス大賞」でベストバウトにもノミネートされた激闘の末に敗れ、新日マット初黒星を喫した。再戦決定以降は、リベンジの好機にただならぬ闘志を燃やしていただけに「巡業がないと、ジムなんか1日2回行っちゃうしね。トーナメントのカードが決まってから、毎日オスプレイ戦をイメージしてる。1回やると決まった以上は、完全に雪辱戦にスイッチが入ってるからさ」と腕をぶす。

 仮にNJC公式戦がなくなったとしても、定めた標的を変更できるほど器用な男ではない。「俺としては両国(国技館大会=31日)でやってもいいし、どこでもいい。もしも逃げられそうだったら、NEVER王者として挑戦者に強行指名するのもありだな」とあらゆる手を使って対戦を実現させる。終息の気配が見えないコロナ禍によってたまり続ける一方の鷹木のフラストレーション。一身にぶつけられそうなオスプレイが何だか気の毒に思えてきた…。