武藤 ひらめいた「新ジャンルプロレス」

2020年06月19日 16時35分

武藤が見据える新たなプロレス界の姿とは…

“プロレスリングマスター”こと武藤敬司(57)が、観客を入れた興行を再開したマット界に一石を投じた。緊急事態宣言の解除を受けてDDTが通常興行をスタートし、7月からこの流れは本格化する。業界の盟主・新日本プロレスも7月11、12日に大阪城ホール大会を予定するが、天才は持論を展開だ。

 新型コロナウイルス禍による自粛が続いたプロレス界が、徐々に観客を入れた通常興行を再開している。DDTは14日の板橋大会で最大収容人数250人のところを82人に制限して興行を開催。15日から無観客試合を開始した新日本は、収容人数の約3分の1にとどめた観客席を設ける形で7月に大阪城ホール2連戦を行う。

 この状況について武藤は「だけど最近の感染者の数を見たら、不安は拭い切れねえよ」と漏らす。さらに「ソーシャルディスタンスを考えた興行には、むなしさを感じてしまうというか…。俺は観客が隣同士抱き合って喜ぶくらいのプロレスをしたいわけだからさ。それができないんだったら、無観客をもう少し続けるのもいい気はする」と主張する。

 その考えを後押しするのが、ノアの無観客試合に出場して得た手応えだ。「これで商売が成り立つなら、これもいいと思うんだよな。俺はやりやすいし。すごい数のカメラがあるから、相手にだけ集中すればいい。カメラが少なかった昔の(米)WCWとは全然違うよ」と力説する。

 しかも新たな発想も芽生えた。「カメラに映っていないところで『何か』できたらいいと思うんだよ。そこで、きっといろんなことができるんだと思う。そこをいかに活用するかだな。あとは、一つの山の中にレスラー20人をぶち込んでバトルロイヤルがやりてえ。カメラを一人ひとりにつけてさ」。無観客試合は、新ジャンルのプロレスを生み出すことが可能と見ている。

 武藤が出場する次の無観客試合は、21日放送のノアのテレビマッチだ。丸藤正道(40)、望月成晃(50)との「M」をイニシャルに持つ選手が集うユニット「エムズアライアンス」の初陣となり、「X」を加えた4人で杉浦軍(杉浦貴、桜庭和志、ケンドー・カシン、NOSAWA論外組)と対戦する。

 特にカシンとは浅からぬ因縁がある。武藤が全日本プロレス社長だった2005年、世界タッグ王座を剥奪された悪魔仮面がベルトを返還せず、訴訟問題に発展した。「人生でもう関わりたくない人間。でも俺の支配するリングじゃねえからしょうがねえよ。これもノアだからってことじゃねえの。関わらなくていいなら関わらない方がいいけど、しょうがねえ」。奇跡の接触はあるのか。天才の言動がますます注目を集めそうだ。