【人気モデル・岡田紗佳のもう一度見たいMリーグ】KADOKAWAサクラナイツの岡田紗佳です。今週は園田プロの真骨頂である繊細な押し引きと鳴きの判断がズバリと決まった一局を取り上げます。

 白、發の役牌が対子(トイツ)、筒子多めの園田プロは、ホンイツを目指して発進します。發に続いて7筒もポン、白が頭の筒子24678の形となり、早々にカン3筒待ちで聴牌(テンパイ)です。

 これに対して親の石橋プロがカン2筒待ちでリーチ、さらに勝又プロも47筒待ちでリーチします。2軒リーチに挟まれてしまった園田プロの待ちは苦しく、勝算はほとんどありません。また石橋プロは親であり放銃したら痛い。親と仕掛けを入れている自分にぶつけてきた勝又プロも勝負手であることが分かります。さらに自身の目からはドラの西や赤ドラは1枚も見えておらず、リーチ者が持っている可能性は十分。勝負に行けない状況が整っていました。

 2軒リーチ後にドラの西をつかんだ園田プロは、悩むことなく高速でノーチャンスの8筒を落として、聴牌を崩します。その後、あまり危険な牌をつかまないまま西が通り、上家の沢崎プロから8筒が出ました。これを鳴いて聴牌し直す手もあったのですが、動きませんでした。

 まずアガれる気配がないということを大前提に考えなければなりません。もしチーしてしまったら、手の内には頭の白2枚と24筒しか残りません。親の現物であり、勝又プロの6筒が早い上に自身がポンしていて、2軒に通りそうな7筒(結果的に勝又プロには当たります)や、勝又プロの現物の6筒を取っておきたかったのです。

 次巡白が通って、沢崎プロが5筒を打ち出した時はチーして聴牌を取りました。わずか1巡でチーの判断が変わった理由としては、白が通ったのが大きい。残りツモは3巡で、危険な牌を持ってきても2枚の白でしのげます。浮いている6萬も現物なので通ります。放銃の心配がほとんどなくなったため、今度は動いたのです。さらに3筒をツモって、2軒リーチをかわしてアガリきりました。“鳴きの魔術師”の異名にふさわしい局でした。

 昨シーズンは好成績を残した園田プロですが、今シーズンの個人成績はまさかの最下位に終わりました。それだけ昨シーズンの活躍が目覚ましかったので、みんなのマークがきつくなったからでしょう。すでに挽回策を練っていると思うので、来シーズンは他チームにとって再び脅威の存在になりそうです。

☆おかだ・さやか=1994年2月19日生まれ。東京都出身。モデルやグラビア、バラエティー番組などで活躍。漫画原作も手がける。日中ハーフで、6歳のころから麻雀に親しみ、2017年4月に日本プロ麻雀連盟所属女流プロ雀士となった。「KADOKAWAサクラナイツ」から指名を受け、今シーズンからMリーグに参戦。青山学院大学出身。T170・B85・W58・H83。“役満ボディー”の異名を持つ。