人気アイドルグループ「乃木坂46」が21日、東京ドーム公演を開催。1期生の高山一実(27)がグループを卒業し、約10年間のアイドル人生を終えた。今後はタレントとして活動していく意向だ。すでにソロとしてバラエティーなどで活躍しており、“小説家”としてもベストセラーを生み出している。そんな高山には出版界から熱視線が寄せられている。

高山は2011年に加入。デビュー曲「ぐるぐるカーテン」から全28枚のシングルで選抜入りし、中心メンバーとして活動してきた。

 アンコールで水色のドレス姿で登場。「10年間のアイドル生活も今日で最後です。ここでは感謝の気持ちだけをお伝えしたい。私は乃木坂メンバーのことが本当に大好き。乃木坂を知ってしまったら来世でも乃木坂になりたい。この幸せ、ありがとうを胸にこれからの人生も頑張っていきたい」と誓った。

 この日、来場者には高山が執筆した「キボウの名」というタイトルの短編小説が配布。ライブ配信視聴チケット購入者のために特設サイトにも公開され、小説という形で“伝えたい思い”がつづられた。

「10年間、ずっと悩んでいたことがあります。最後の日に何を語るかです。私はある日から語りに思いが乗り切らないような気がして、小説を書こうと決めました。よかったら読んでみてください」とお願いした。

 高山といえば、小説家として執筆活動も行い、18年にアイドルを目指す女の子を描いた著書「トラペジウム」を発売。「絶対にアイドルになる」ために4箇条を課して高校生活を送る主人公の10年間を描いた青春小説で、累計25万部を突破するベストセラーになった。

 卒業後はタレントとして幅広く活動する意向。すでに「クイズプレゼンバラエティーQさま!!」(テレビ朝日系)をはじめ多くのバラエティー番組でアシスタントを務めているが、出版界からは多忙なアイドル業から離れることで“小説家”としても期待される。

「グループ在籍中から小説の“第2弾”を熱望されていた。高山さん自身も書き始めてはいないといいますが、『書きたい』と意欲を見せ、構想も練っているとか。アイドル活動は多忙ですが、卒業すれば執筆する時間もできるでしょう。処女作はベストセラーになっていますから」(出版関係者)

 コロナ禍前は海外公演も成功させた乃木坂46。「トラペジウム」は台湾や韓国などで翻訳版がヒットし、昨年7月に中国語簡体字版も発売され、大きな話題を集めた。

「中国でのグループ人気は高く、ファンの熱量は日本を超えるものがある。映画化を求める声もあり、コロナ終息後には“高山一実”の名前が一気にアジアへ広がるかもしれない」(前同)

 そんな高山といえば、本紙で昭和レトロなスポットやアイテムを乃木坂メンバーとともにリポートする「乃木坂46 高山一実と仲間たち 昭和にアメイジング!」というコーナーを13年から、続編を15年から連載していた。

 昨年3月に本紙記者と会った際には「いつか本当にいつかでいいので東スポでコラムを…」とお願いしてみると、「もう全然! たいした文章書けないですけど、ぜひぜひ!」と笑顔を見せてくれた。

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