1973年5月、徳島県の剣山近くに住むNさんたち3人は草刈り作業中、非常に巨大なヘビと遭遇した。作業中にふと気づくと、草むらの中から鎌首をもたげた大蛇が姿を現したのだという。その大蛇は口だけでも2・5メートルはあったとしている。

 さらにその数日後の5月26日、Nさんたちは再び町会議員のTさんも加えて大蛇を目撃することになる。この時に現れた大蛇は、首がプロパンガスのボンベほどもあり、体長は10メートルは下らなかったとされている。

 その後、剣山周辺では巨大なヘビの抜け殻や大蛇が通ったと思しき痕跡なども発見され、100人を超す捜索隊も結成されて大騒ぎとなったが、大蛇を発見するには至らず、その後どこに行ってしまったか分かっていない。

 剣山の大蛇については昔から目撃情報があったようで、山口敏太郎の叔母の縁者にあたる者が大正時代、狩猟中に遭遇したと聞いている。なお、この人物は大蛇に会った後、発熱し、3日後に死亡してしまったという。叔母自身は昭和初期の生まれで、その人物の臨終に立ち会った人物から直接聞いたと語っていた。

 日本のヘビの妖怪には、遭遇した後にその毒気に当てられてしまうケースが多い。文献によっては大蛇が光っているように表現しているものもあるため、大蛇目撃談は放射能を発して人体に害をなすUFO及びエイリアンアニマルと遭遇したものだったのでは、とする説もある。

 さらには、剣山には古代の英雄ソロモン王の秘宝が隠されているという伝説がまことしやかにささやかれており、70年代の大蛇騒動の際には「あの大蛇はソロモン王の秘宝を守護しているのだ」とするなんとも“トンデモなうわさ”が流れたりもしていた。

 なお、筆者の山口は70年代の大蛇騒動はサーカスや見世物小屋などで飼育されていた大蛇、アナコンダ等が何らかの要因で逃げ出したものではないかと考えている。実際、戦前戦後の日本では海外産の大蛇のような珍しい動物が見せ物として飼育されていた事実がある。ある時期からふっつりと姿を見せなくなってしまったのも、故郷から遠く離れた日本の気候に対応できず死んでしまったのではないかと考えられるのだ。