これだけの球史に残る実績を残しても「令和の怪物」ロッテ・佐々木朗希はいまだ発展途上の投手ということらしい。
史上最年少の20歳で完全試合を達成し、次の試合も8回パーフェクトのままで交代。日本のみならずメジャーリーグも驚がくさせたが、井口監督、木村投手コーチら首脳陣は極めて慎重だ。4月25日に登録を抹消した佐々木朗については今後も十分に登板間隔を空け“リフレッシュ休暇”を挟みながら起用するという。
この“朗希ローテ”、実はキャンプ中から検討されていた。佐々木朗は確かにずぬけたスピードを出す力を持ってはいるが、肉体はまだまだ成長過程。他の主力と同様、先発の柱として使ったら故障しかねないというのが首脳陣の認識なのだ。
実際、プロ初登板した2年目の昨季の試合数は11止まり(63回1/3、3勝2敗)とチーム最多の小島(24試合)の半分以下。佐々木朗本人も開幕前は今季の目標を「去年の倍の22試合」に設定し「完投は難しいと思う」と明かしていたほど。ちなみに、佐々木朗のプロ初完投は4月10日の完全試合である。
そこで、首脳陣はキャンプ中から佐々木朗限定の起用法について熟考を重ねていた。その内容に詳しい球界関係者に取材した内容をまとめる。
「球数は原則1試合100球以下に抑える。プレッシャーのかかるカード初戦は避け、3連戦の2、3試合目に登板させる。疲労がたまらないよう、十分登板間隔を空ける。さらに定期的に登録抹消し、休養期間中は二軍の試合にも投げさせない」
とくに、夏場の使い方はひときわ慎重になる必要がある。その理由を、球界関係者はこう説明した。
「ここ数年、夏は大変な猛暑に見舞われている。エアコンの効いたドーム球場ならともかく、人工芝の照り返しもある屋外球場での登板が続くようだと今の朗希にとってはキツい。だから、様子を見て“夏休み”を取らせようということです」
井口監督は「先発ローテーション投手については状態を見ながら、どこかで一度(登板を)飛ばしたいと考えている」と、佐々木朗に限らず、先発投手を休養させることを明言しており、シーズン中は「1か月単位ぐらいでやっていきたい」と交代でリフレッシュさせることも視野に入れているようだ。
一方で、木村コーチは佐々木朗について、今後は試合展開次第で100球までの球数制限を取り払うことを示唆。規格外の“令和の怪物”の進化とともにロッテ首脳陣の試行錯誤も続いている。
☆あかさか・えいいち 1963年、広島県出身。法政大卒。日本文藝家協会会員。最近、Yahoo!ニュース公式コメンテーターに就任。「最後のクジラ 大洋ホエールズ・田代富雄の野球人生」「プロ野球二軍監督」(講談社)など著作が電子書籍で発売中。「失われた甲子園」(同)が第15回新潮ドキュメント賞ノミネート。他に「すごい!広島カープ」「2番打者論」(PHP研究所)など。












