2勝目が遠い。阪神が12日の中日戦(バンテリン)にも1―2で敗戦。4番・佐藤輝の3号弾で先制、投げては先発・西勇の7回無失点の好投で1―0とリードも、8回に投入した湯浅が中日打線に捕まり、カード初戦を逆転負け。

 試合後の矢野燿大監督(53)は、今季初の救援失敗となった右腕をかばうように「湯浅もやられたけど、その悔しさを晴らすチャンスは明日にもあるかもしれないので(次回が)今日の経験を次に生かしてくれる投球になったらいいじゃないかな」と気丈に話したが、これで引き分けを挟み4連敗。15試合で1勝、借金12の勝率0割7分1厘と本拠地のある西宮市の市外局番「0798」を下回る尋常ではない低勝率にあえいでいる。

 とはいえ、残り128試合。諦めるにはまだ早すぎる。カラ元気さえ出なくなりつつあるチームで、何かしらの〝きっかけ〟をつかみたいが、ムードメーカー的な選手も見当たらない。

 今季の虎の試合を視察し、MLBでは実際にベンチに入った経験もある米球界関係者は「こうなるとベンチのムードも重たく、静かに見えてしまうのは、米国も日本も一緒」と話す一方、米国では流れを変えるため「選手同士」で何かを企画することが多いという。

「いつもはバラバラのユニホームの着こなしを全員、ヒザまで上げるオールドスタイルにしてみたりとか、ヒゲを生やしていた選手は全員、ヒゲを剃り落としたり。要はベンチ内に新しい『連帯感』を作る。そうすることで、プレーとは別の会話も増えるし、あくまでリラックスした状態で新しい試合に臨むというね…。もちろん、試合に勝てるかどうかは別問題だけどね」

 阪神でも糸井や佐藤輝など前の試合での結果を受け、ストッキングをヒザまで上げたり、下ろしたりと、個人的なゲンを担ぐ選手もチラホラいるが…。開幕から続く〝負の連鎖〟を断ち切るには、一致団結してのアクションもきっかけのひとつになるかもしれない。