阪神は16日の巨人戦(東京ドーム)に6―5で辛勝。僅差のゲームをもぎとり、2勝1敗で今カードの勝ち越しを決めた。

「2001試合目のGT決戦」にふさわしい白熱のゲーム展開だった。2―2と同点の4回に虎打線は一気に4点を奪い、勝ち越しに成功。岩貞―岩崎―スアレスの継投策も実り、追いすがる巨人をかわした。

 打のヒーローは2本の適時打を含む3安打2打点2得点をマークした近本光司外野手(26)だ。打席に立てばポイントゲッターとしてチームに打点をもたらし、さらに自慢の快足で生還する八面六臂の大活躍。シーズン序盤こそ打率0割台に沈む大スランプに陥ったが、5月の月間打率は4割5厘。背番号5の復調はチームの得点力向上にダイレクトにつながっている。

 会心の勝利を自らのバットと足でもぎとった近本は「いい仕事ができた一日だったと思う」と充実感を漂わせ「(この日の)1勝はただの1勝ではない。とても大きい1勝だと思う。巨人はシーズン通して勝たなければいけない相手ですし、また勝てるようにしっかりやっていきます」と、かぶとの緒を締める。

 不動のリードオフマンが見つめる先は、リーグ制覇、そして悲願の日本一のみだ。虎の〝快足〟超特急は、最終目的地のみを目指し「電車道」を突き進む。