田中俊DeNA移籍で〝円満決着〟のウラ 巨人が恐れた「亀井流出」の最悪事態

2020年12月19日 07時15分

亀井流出なら大騒動になっていた!?

 異例の早期決着となった。DeNAからFAで巨人に移籍した梶谷隆幸外野手(32)の人的補償選手が18日に田中俊太内野手(27)に電撃決定した。来季プロ4年目の内外野をこなすユーティリティーの流出は巨人にとっても痛手だが〝最悪の事態〟だけは回避できたようで…。

 梶谷と巨人の契約締結合意の公示(14日)からわずか4日。「普通ならFAの契約合意から人的補償が決まるまで、1か月はかかる」(巨人関係者)ところ、驚きのスピードで田中俊のDeNA入りが決まった。

 白羽の矢が立った田中俊は巨人を通じ「プロ野球選手として育ててもらったジャイアンツでの経験は、私にとってかけがえのない財産です。ジャイアンツで学んだことを生かして、新天地の横浜DeNAベイスターズでも勝利に貢献できるよう、精いっぱい頑張ります」と活躍を誓った。

 神奈川県出身で東海大相模高、東海大を経て日立製作所から巨人に17年ドラフト5位で入団した。兄は広島・田中広輔という野球一家。父・正行さんは東海大で原監督の2学年下で寮が同室だった。

 今季は一塁、二塁、三塁、左翼で15試合にスタメン出場し48試合で打率2割6分5厘、1本塁打、6打点、2盗塁の成績。日本シリーズは第4戦で「7番・二塁」でスタメン出場するなど4戦7打数2安打と結果を残した。

 来季プロ4年目を迎える万能型選手の流出は、巨人にとって痛い出血ではあるが、FAに参戦した以上、人的補償は避けて通れない。それでも球団関係者は「最悪の事態だけは回避できた」という。

 巨人・大塚副代表編成本部長が14日に「(選定が)難しいけど近日中に出します」と話していたプロテクトリストは秘匿事項。一部の球団幹部以外は知りようもないが「チームの精神的支柱である亀井クラスが取られたり、若手投手の有望株を取られるのが一番、厳しかった」と前出の関係者は言う。

 2018年オフに巨人からは内海(西武=炭谷の人的補償)と長野(広島=丸の人的補償)、16年オフには平良(DeNA=山口俊の人的補償)が流出している。今年も結果的に期待のホープを失ってしまったとはいえ、球団内部からは「田中俊が内外野をできるところが、DeNAさんの評価も高かったんでしょう。望まれていくのは本当に幸せなこと」とエールが送られた。

 人的補償の決定が長引けば長引くほどFAのイメージが悪くなる。普段から「FAは頑張った選手に与えられた権利」と話す原監督にとっても、今回は願ってもないスピード決着となったようだ。