エンゼルス・大谷翔平投手(28)が1918年のベーブ・ルース以来、104年ぶり2人目の「2桁勝利&2桁本塁打」の偉業を達成した。9日(日本時間10日)の敵地オークランドでのアスレチックス戦に「2番・投手兼DH」で出場し、6回を4安打無失点でメジャー自身初の10勝目(7敗)をマーク。打者では7回に25号ソロを放ち、メジャー通算118本塁打とし、イチローを抜き日本選手単独2位になった。

 大谷の偉業達成をMLB公式サイトは「大谷が同じ試合でルースに並び、イチローを超えた」と伝えた。「ある夜にまた増えたマイルストーン。二刀流スター大谷翔平の人生はそんな感じ。時々、大谷がまだ5年しかMLBでプレーしていないことを忘れてしまうが、まだ28歳でここまで世界を驚かせた彼が、次に何をしてくれるのだろうと、チームメートも、対戦相手も、ファンも思わずにはいられないだろう」と大絶賛した。

 米スポーツ専門局ESPN(電子版)は「また1本ホームラン、また投手としての勝利、また歴史上の記録。大谷翔平にとっては、よくあるいつもと変わらぬ夜」と驚くことなく、大谷にとっては普通と報じた。

 地元紙オレンジ・カウンティー・レジスター(電子版)は「ベーブ・ルースやイチロー・スズキの名前が同時に出る夜は、結構いい夜だ」とたたえた。

 その偉業を達成した試合でSNSで話題になったのはカウボーイハット。5回に15号3ランを放ったウォード、7回に25号を放った大谷もかぶらなかったため、SNSなどでファンらが「どこへ行ったの?」と騒然となった。

 その真相が判明したのは翌10日(同11日)だった。アスレチックス戦の中継中にバリー・スポーツ・ウェストでリポーターを務めているエリカ・ワトソン氏が明かした。

「日頃、管理を担当しているビデオコーディネーターのブライアン・ダンディ氏が、昨日(9日)は試合前に翔平とブルペンにいて忙しく、つい(ベンチに運ぶのを)失念してしまったとのこと。『今日はちゃんと出すので心配しないで』」

 その言葉通り、6回に3ランを放ったレンヒーフォはベンチでしっかりカウボーイハットをかぶっていた。

 エンゼルスは残り50試合で、大谷は中5日で9試合に登板予定。史上初の投打の規定到達に挑む。何勝上積みして、何度カウボーイハットをかぶるのだろう。楽しみだ。