聖光学院(福島)が初戦からの〝大物食い〟で6年ぶり5度目の8強入りを決めた。第104回全国高校野球選手権大会(甲子園)11日目の16日、第3試合で敦賀気比(福井)を8―1で下し、準々決勝進出を果たした。

 初回に3番・安田の適時二塁打で先制。2回に同点に追いつかれたが、3回に安田が先制打に続き、右翼席へ2ランを放つなど3点を奪って勝ち越した。5回にも8番・生田目(3年)の適時打、1番・赤堀(3年)の適時三塁打などで4点を加え、リードを広げた。

 エース・佐山(3年)が粘りながら7回を6安打1失点に抑え、8回からは左腕・小林(3年)も好リリーフ。投打が噛み合い、最後まで主導権を渡さなかった。

 試合後の斎藤智也監督(59)は「予想以上のうちの選手の奮闘ぶりが今日はびっくりするぐらいだった。よくバットを果敢に振ってくれた」と14安打9得点をマークした打線の猛攻を振り返った。

 力投したエース・佐山に関しても「初回のノーアウト一、三塁と、7回のノーアウト二、三塁のピンチを乗り切った。守り全体で我慢したのは今日の試合のポイントだったと思う」と評し、目を細めた。

 今大会では1回戦の日大三、2回戦の横浜に続き、この日の3回戦でも甲子園優勝経験校の難敵と顔を合わせた末に完勝した。その勢いを維持したまま、18日の準々決勝・九州学院(熊本)戦では春夏通じて初の4強入りがかかる。指揮官は「北信越勢にも分がずっと悪いので、今日の試合も1つの試金石だなと思っていた。初物尽くしが2つ3つ揃ってきているわけで、また挑戦しがいがある」と力強い言葉とともに準決勝進出へも自信をのぞかせていた。