白熱の攻防を制した。第94回選抜高校野球大会(甲子園)は27日に8日目を迎え、市和歌山が明秀日立(茨城)に2―1でサヨナラ勝ち。3年ぶりのベスト8進出を果たした。

 息詰まる投手戦で最後に勝負を決めたのは今大会注目の最速149キロ右腕・米田天翼(3年)のバットだった。9回裏の一死一、二塁、相手先発・猪俣(3年)が投じたフォークをとらえ、右中間へ自身初となるサヨナラ打。打席に立つ直前にベンチの半田真一監督(41)から伝令を通じて「お前が粘ってきたのだから、ここで決めろ」とゲキを飛ばされ、期待に見事応えたエースはグラウンド上で喜びを爆発させた。

 投げては強打を誇る関東王者に9回を141球、9安打1失点9奪三振で完投。直球狙いの相手打線を警戒し、同じ軌道でカットボールやツーシームも組み込みながら的を絞らせなかった。走者は出すものの要所を締める投球術がさえわたり、最後まで集中力を保った。

 試合後は「一番にうれしいというのが素直な気持ち」と第一声を口にし、投球内容については「自分本来のストレートの走りではなかったので変化球で芯を外すことを心がけた。だんだんと球威が落ちてきたが。終盤にギアを上げた」ともコメント。そして自らの一打で勝負を決めたことには「積極的に振っていこうと思っていた。今まで耐えていた感情が爆発した」と振り返った。

 昨春のセンバツは2回戦敗退。ともに同校からドラフト1位でプロ入りを果たしたDeNA・小園健太投手とロッテ・松川虎生捕手の先輩バッテリーが阻まれた壁を乗り越えた。「去年の先輩方への恩返しができたと思う。『やりました』と言いたいです」とエースは表情を緩ませた。

 小園からは「エースたるもの」という言葉を引き継ぎ、常に心の中で言い聞かせているという。

 半田監督も「弱っちいチームが米田を中心によくここまで成長してくれた」と目を細めながらコメント。28日の強豪・大阪桐蔭との準々決勝もエースを軸に全力でぶつかる。