「2020甲子園交流試合」6日目(17日)の第1試合は、大阪桐蔭(大阪)がお家芸とも言える終盤の粘りを見せ、東海大相模(神奈川)に4―2で逆転勝ち。甲子園では初めて実現した注目の東西強豪対決は、最後まで目が離せない好ゲームだった。

 高校球界をリードする超名門の2校。東海大相模はこの試合、その装いで伝統校らしい矜持を示した。

 今年度から使用が解禁されたばかりの白スパイク。熱中症対策として認められ、黒スパイクに比べて表面、内部ともに温度が上がりにくいことから選手にも歓迎されている。今大会も大阪桐蔭や明徳義塾(高知)など名門校が続々と導入してトレンドとなった。

 そんな中、東海大相模ナインは全員が黒スパイクを着用してグラウンドに立った。なぜか――。チームの主軸を担う3番打者の加藤響(3年)は〝相模の心意気〟を示しながら理由の一つを明かしてくれた。「黒のままというのはいろいろな理由があると思うんですが、一つは相模の伝統を重んじるということもあったと思います。ユニホームにしても上から下まで先輩方から受け継いできたものがある。スパイクもその一つ」と語った。

 また、長谷川将也部長は違う視点でこうも明かした。「今後、選手の意見も聞きながら(白スパイクを)導入することも考えられます」と柔軟な姿勢を示した上で「汚れにくいとか耐久性とか、そういうところも知りたい。やはり高校野球を続けるにはお金がかかりますので。黒スパイクに比べて、買い替えの頻度が多くなると(おのずと各家庭の)経済的負担は増える。できるだけ負担を小さくしたいというのが、考え方の一つとしてあります。選手の要望なども参考に、そういうところも踏まえて考えていくことになると思います」。

 選手ファーストである一方で、様々な考えや伝統を重んじる精神があってもいい。「今回のような1試合だけじゃなく、連戦が続けば取り入れる選択肢があってもいい。その時々でいろいろな意見を聞いて決めていけばいいと思います」とは加藤。黒継続ありきではなく、柔軟な発想の中で「黒のまま」を決めた東海大相模。その足元からは、誇り高き「相模の魂」が伝わってきた。