
負の連鎖とは決別だ。巨人の大竹寛投手(31)が27日、東京都内の球団事務所で契約更改に臨み、3年契約2年目を現状維持の1億円でサインした。シーズン終盤での戦線離脱に加え、この日はまさかの大遅刻。誤算続きとなった今季からの心機一転を目指して、すでに食事制限による肉体改造にも着手。原辰徳監督(56)に「ラジアルタイヤ」とまで言われた太め残りの肉体をシェイプアップする。
広島からFA加入した大竹の巨人1年目は、不完全燃焼に終わった。先発ローテの一角として22試合に先発し9勝6敗、防御率3・98をマークするも、勝負どころの9月に右肩を故障。シーズン最後までマウンドに立てなかった大竹は「あと1勝、2勝という時にチームに貢献できなかった。自分がファームにいる間にシーズンが終わってしまった。その悔しさが残る」と唇をかみ締めた。
誤算はシーズン終盤の故障だけではない。この日は都内の球団事務所で午後0時30分から契約更改に臨む予定だったが、大竹は午後2時30分からと勘違い。自宅でその事実に気づいたのは正午ごろで約1時間半の遅刻。バツの悪そうな顔で午後3時30分に会見場に現れた際には報道陣にも「自分が時間を間違えました。皆さんをお待たせしてしまい、すみませんでした」と深々と頭を下げた。その際には無数のフラッシュを浴び、さながら謝罪会見の様相を呈した。
だが、負の連鎖とはこの日限りで決別だ。すでに来季に向けた準備に着手している。大竹は「(故障した)肩を中心に鍛える。あと太りやすいので食事の面からもウエートダウンを」と打ち明けた。大好物のラーメンや油分の摂取を極力控え、朝はミックスジュース、夜は酒量を減らすため炭酸水を飲むようにした。今季中、原監督から「投げてる姿がラジアルタイヤがあるみたい。ラジアルタイヤはいらないよ」とミシュランマンのようにポッコリした腹を指摘されたこともあり、まずは95キロから5キロ以上の減量がノルマだ。
「(目標は)日本一になること。自分としてはローテーションを守りきること。しっかり開幕にいい状態に持っていく」。来季は故障、遅刻、ラジアルタイヤ腹と決別し、飛躍するつもりだ。(金額は推定)