ミシシッピ川は米国を流れる河川としては最長のもので、ミネソタ州を源流として米国をほぼ縦断してメキシコ湾へと流れる。国内の重要な水路であり、米国の発展に貢献した、国を象徴する川である。

 ミシシッピ川は全長3779キロメートルもあるため、当然のようにたくさんの支流ができている。そのうちのひとつがアーカンソー州に流れるホワイト・リバーだ。

 ホワイト・リバーには古くから民間伝承で大きな怪物がすんでいると言われていた。自然と共存して生きるネーティブアメリカンたちは自然に精霊が宿ると考えていて、このホワイト・リバーにも“そういったもの”があったそうだ。それが現代になって、目撃例が多数報告されているのだ。

 名前は「ホワイト・リバー・モンスター」、または「ホワイティ」。まず、1937年に地元の農夫がホワイト・リバーの水面から、大きな生物が体の部位を出しているのを目撃した。それがどの部位なのかは分からないのだが、幅が1・5メートルはあり、3メートル以上の長さの灰色の何かだったという。

 その情報が広まると、他の住民たちも同様の大きな生物をホワイト・リバーで見たという報告が続いたのだ。その時に寄せられた最も古い情報は1915年にまでさかのぼったという。

 もちろん、この衝撃は米国全土を揺るがし、謎の生物を撮影・捕獲しようと人々が集まったが、捕獲計画は失敗したため、フェイクだと判断されたのだ。少なくとも34年の間は…。

 時は流れて1971年——。川でボートを楽しんでいた人が、ゆっくりと川の真ん中あたりを泳ぐ生物を見たというのだ。全長は分からないものの、水面に出ている部分だけでも9メートルはあり、背中にはトゲが生えていたそうだ。体の表面はツルツルと滑らかで、牛や馬のような大きないななきを上げたと言われている。

 実際にはゾウアザラシなのではないかとの噂もあるが、100年にもわたる目撃例(伝承の話も合わせればもっとだが)があるのならば、もはやゾウアザラシの生息が確認されていてもおかしくない。チョウザメが川に産卵に戻ってくるという説もある。しかし、まだ正体は分かっていないのである。