この写真は1954年に「バンパイアビースト」の撮影に成功したと言われているものである。

 当時のタブロイド紙によるとバンパイアビーストとは、同年1月に米国南東部に位置するノースカロライナ州の小さな町ブラデンボロに出現した未確認生物のことである。ウシ、ヤギ、ブタといった家畜を襲い、体内の血液をすべて吸い取って殺害したと言われている。

 話を写真に戻そう。外見は写真の通り、未知の生命体といった感じで、体中に斑点のような模様があり、顔はネコのようにも見える。頭部には巻き貝のような、触角のようなものが付いている。4本の足で体を支えているであろうことくらいは推測できるが、その正体はよく分からない。

 吸血生物で未確認生物といえば中南米、南米を中心に出現するチュパカブラが世界的に有名であるが、その出現は1995年とされているので、バンパイアビーストのほうが歴史が古いということになる。チュパカブラより約40年も前の話なのだ。

 ここから考えるに、チュパカブラの先祖的な存在とも言える。もしくはチュパカブラという概念が生まれる前に捕らえられたチュパカブラなのかもしれない。

 バンパイアビーストが捕獲されたことにより、家畜のみならず生命の危機を感じていたノースカロライナ州には平和が訪れただけでなく、米国全土にも安堵の声が広がった。

 というのも、バンパイアビーストの話題はあまりにセンセーショナルであり、米国全土で「未知の生物が現れた」と騒動になっていたのだ。新聞では写真付きで報道され、多数のハンターが捕獲作戦に参加。ハンターが集まりすぎたために、むしろハンターたちの身に危険が及ぶのではないかと当時の市長が警告を出すほどであった。

 いったんは落ち着いたかと思われたバンパイアビースト騒動、また近年になってノースカロライナの住民を脅かしている。2003年に過去と同じような被害が確認されると、ほんの2か月程度の期間に謎の家畜などの殺害が続いたのだ。

 この付近には古くからウマを殺すほどの吸血生物の存在は確認されておらず、まだその犯人も捕まっていない。世界中に広がるチュパカブラの存在とともに、その特定が急がれる事件である。