【泌尿器科医・高橋亮 シモの話】先日、かかりつけの患者さんの診察があったのですが、何となく浮かない顔をされて診察室に入ってきました。どうしたのか聞いてみると「いや実は、先生が数か月前に薬を変えてから何となく尿の調子が悪いんですよね…」とのことです。いや、そんなはずはありません。だって私はここ1年ぐらいずっと同じ薬剤を処方していたのですから。しかしその患者さんは薬が確かに変わったと強く主張されるので、おくすり手帳を見せていただきました。

 すると…私の処方した薬から別のものに変更されていました。先発品からジェネリック医薬品に変わっていたのです。

 皆さんは普段、病院で院外処方箋をもらい、それを持って薬局で薬をもらうと思います。薬局では、先発品をジェネリック医薬品に変更することもあるでしょうが、基本的には病院に連絡は来ません。よって実は、処方した医師は患者さんがどのジェネリック医薬品を飲んでいるのか分からないのです。これは意外な事実ではないでしょうか?

 また、先発品とジェネリック医薬品は有効成分は同じであるとされますが、薬の有効成分以外の添加物については異なってもいいとされています。ということは、“全く同じもの”とは限らないわけです。そのため、今回のケースのように「先発品からジェネリック医薬品に変更したら効きが悪くなった」というケースも、時折見られます。ちなみに先ほどの患者さんは先発品に戻してもらったら症状が落ち着きました。

 私はジェネリック医薬品を否定するつもりは全くありませんが、ジェネリックメーカーは約200社もありますので、中には怪しげなところもあります。これを見分けるのはほぼ不可能ですので、もしもジェネリック医薬品に変更して調子が悪くなったと感じたら、遠慮なく次回の診察時に主治医や薬局に申し出てもらえればと思います。皆さんの主治医の先生はジェネリックに変わったことすら知らないかもしれないのですから…。

 ☆たかはし・りょう 神奈川県出身。2003年日本医科大学卒業。日本泌尿器科学会指導医・専門医。日本医科大学付属病院嘱託医。ED、早漏、AGAなどをはじめ、前立腺がんなど泌尿器科にまつわる疾患全般を扱う動坂下泌尿器科クリニック(東京・文京区)院長。