【現役医師がぶっちゃけ 女医のお部屋】新型コロナウイルスワクチンの接種が進む中、アナフィラキシーという言葉を耳にすることが多くなった。ご存じの方もいるだろうが、このアナフィラキシーは、ワクチン接種だけでなく、食べ物や虫に刺されることでも起こる可能性がある。対策や症状について内科医の青山彩香先生に教えてもらおう。
――改めてアナフィラキシーとは
青山彩香医師(以下青山)アレルギーを引き起こす原因となる物質(アレルゲン)が体内に侵入することで複数の臓器や全身に症状が起こり、生命に危険が及ぶ過敏反応のことを言います。その中でも特に、急激な血圧低下を伴う重篤な状態は「アナフィラキシーショック」と呼ばれます。
――主な原因は
青山 卵、ピーナツ、小麦、エビやカニなどの食物アレルギー、ハチやアリなどによる虫刺され、抗生物質や痛み止めなどの薬物投与、ネコやハウスダストなどが挙げられます。また、普段は症状が出なくても、体に合わない食べ物を摂取した後に運動することで発症を誘発することもあります。
――どのような症状がありますか?
青山 皮膚の赤みやかゆみ、じんましん、唇の腫れ、息苦しさ、吐き気、下痢など様々です。15~30分以内に発症しますが、まれに数時間後に発症することもあります。じんましんのみでは経過観察で良いですが、皮膚症状だけでなく呼吸困難など全身に症状が出たら、速やかに救急車を呼んで医療機関に行くことが肝要です。症状がいったん治まっても後に再び発症することもあります。
――新型コロナワクチンで起こるアナフィラキシーの特徴
青山 米国の論文ではアナフィラキシーを発症した症例の3割が以前にもアナフィラキシーを経験していたことや、女性の発症率が高いことが報告されています。ただ、発症数全体では100万人に数件と、非常に少ないものです。
――虫刺されで起こるアナフィラキシーは、夏になるとキャンプに行く機会も増えるので気を付けたいところ。どのような対策をすればいいのでしょう
青山 気を付けたいのはハチで、そのほかにヒアリやオーストラリア種のマダニなどがあります。以前刺された方が再び刺されると過剰反応となりアナフィラキシーを発症することがあります。そのため、キャンプなどをする際は、できれば肌を露出しない服装(長袖・長ズボン)の方がハチに刺されにくくなるのですが、夏場は難しいと思います。養蜂家が着ている防護服が白色であるように白い服を着ることも効果的です。虫よけスプレーを使うこともおすすめします。
――もし、ハチなどの虫に刺されてしまったときはどうすれば
青山 キャンプ場であれば、救護室などが設置されていると思いますので、刺されたと分かった時点で救護室に行き、冷やすなどの応急処置をとることが大切です。じんましんは、腕や足に出なくてもおなかや背中に出ることがあります。後から、体のかゆみや皮膚が腫れるといった症状が出た場合は病院を受診しましょう。アナフィラキシーを発症した場合、喉が腫れて呼吸困難に陥るケースもあります。かゆみを感じたらおなかや背中の状態も確認し、医者へ症状を伝えることで診察がスムーズになります。
――主な治療法は
青山 アナフィラキシーには、エピネフリンという薬液を注射によって投与します。多くの病院では、すぐにアナフィラキシーに対応できるように準備されています。自分で打てる携帯型の注射剤があるのでアナフィラキシーの既往のある方は主治医に相談されると良いと思います。
☆あおやま・さやか 日本内科学会、日本病院総合診療医学会所属。2019年に富山大学医学部を卒業後、水戸協同病院にて初期研修。21年4月から水戸協同病院総合内科で勤務。











