伝統的な自然食品で健康に良いとされるものは根強い人気がある。その中で最近、存在感を増しているのが高麗人参だ。はるか昔から利用されている生薬であり、ウイルスなどに感染しにくくなるとも言われている。東洋医学と現代医学の双方の知識を持つ専門家に聞いた。

 いわゆる人参(キャロット)と高麗人参は別物である。野菜の人参はセリ科だが、高麗人参はウコギ科の多年草植物で別名・御種(おたね)人参ともいう。

「高麗人参の最大のポイントはサポニンを含有していることです。サポニンは活力や免疫力の向上、リラックス効果、抗酸化効果、血流改善などが期待できる成分ですが、大豆など他のサポニンを含む植物よりも高麗人参のサポニンは特に健康効果が優れているとされます」

 こう話すのは、医学博士の大内晃一・東京医療学院大学講師だ。

 東洋医学では高麗人参は「最も副作用の恐れがない上薬」という位置づけで、元気を補い、消化器を健全化して肺を潤し、精神安定が図れるとして漢方薬に配合されるという。例えば滋養作用のあるとされる十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)や、ぜんそくなどに使われる人参養栄湯(にんじんようえいとう)にも配合されている。

 サポニンの「サポ」とはラテン語でせっけんの意味だ。水と一緒になると泡を生じる物質の総称である。このサポニン、面白いことに、かつては毒性があるとされていた時期もあったのだが、いまでは現代医学においても血流改善や血栓予防効果を期待されるようになった。

 高血糖改善、インスリン作用の増強、抗疲労、糖尿病やインポテンツなどにも使われる。東洋医学でも現代医学でも共通して食欲不振、虚弱体質、身体の代謝が悪い冷え性の人などに向くとされ、より活力を上げたい、より加齢対策を強化したいといった方々に推奨されてきた。

 すでにこれまで長く使われ、そうした高い滋養強壮効果が認められてきたところだが、ここにきて注目されているのがウイルスや細菌に感染しにくくなる免疫力アップ効果である。

 よく知られているように、免疫とは、体外から入ってくるウイルスや細菌に対抗するため、人間の体内にもともと存在する機能。サポニンはナチュラルキラー細胞を活性化する働きがあり、免疫機能を高めて風邪やインフルエンザにかかりにくい体をつくるのだ。

「免疫力向上の働きがあるので、コロナ感染症対策としても一役買うことを期待されるのでしょう。また家にひきこもることを余儀なくされて、うつのような気分になりがちですが、東洋医学では『気』を補う作用があるとされ、元気を取り戻すことも期待できます」(大内氏)

 だが一口に高麗人参といっても、いろいろ種類がある。「どう選べばいいのか?」「値段は?」など、一般にはわかりにくい疑問に来週、答えていただこう。