【現役医師がぶっちゃけ 女医のお部屋】蒸し暑く疲れやすい時期だ。本格的な夏到来を前に、おさらいしておきたいのが熱中症対策。どういった点に気を付ければいいか、指標となるポイントなど含め、腎臓内科の松田明子医師に教えてもらおう。

 ――医学的に熱中症とは

 松田明子医師(以下松田)体温調節機能の乱れや体内の水分、塩分バランスの乱れが原因で起こる体調不良を総称していいます。軽いものだと立ちくらみや筋肉のつりなどの症状、重くなるにつれ、頭痛や吐き気などが出現し、最重症になると、意識障害やけいれんなど中枢神経症状が出現します。

 ――今ぐらいの時期は特に気を付けなければいけない…という話も聞きます。なぜでしょうか

 松田 尿以外の水分排泄は不感蒸泄(ふかんじょうせつ)といいます。1日の不感蒸泄量は体重1キロあたり約15ミリリットルですが、体温が37度を超えると1度上がるごとに15%増え、また外気温が30度から1度上がるごとに、15~20%程度増えるといわれています。一方、梅雨どきのように湿度が上がると汗が蒸発しづらくなり、体温が上がりやすくなるため、体温調節がうまくいかずに熱中症を発症するリスクが高まるのです。

 ――対策は

 松田 熱中症の基本的な予防法はノンカフェインのお茶や水を定期的に飲むことが推奨されています。特に高齢の方は朝起きたときと毎食中にコップ1杯、入浴前と入浴後にまたコップ1杯、就寝前にコップ1杯など、こまめに飲むこと。また中高年の方もノドの渇きを感じる前に、時間を決めて飲むほうがいいかもしれませんね。汗をかく季節になると出た水分が分かるので、意識的に摂取される方は増えるのですが、湿度が高い今の時期は目に見えない汗といわれる吐く息や皮膚から蒸散していく不感蒸泄量が増えているので、体の中は脱水に傾きやすいということを覚えておいてください。

 ――水分摂取量に関して指標となるものがあれば教えてください

 松田 体内の水分バランスが取れているか、尿を見ていただくのが一番わかりやすいと思います。まず朝起きて最初の尿は普段よりも濃い黄色をしています。夜間は8時間前後トイレに行かないのが普通であり、抗利尿ホルモンというものが分泌されることが影響しています。そして日中は通常なら無色から薄い黄色が理想的といわれており、日中に濃い黄色、ビールのような色の尿が出る場合は、脱水の症状が疑われますので、しっかり水分を取っていただきたいです。

 ――日々のトイレチェックが重要なんですね

 松田 逆に朝一番でも濃くならない透明な尿や勢いよく出さなかった場合でも泡立ちが消えなかったり、乳白色に混濁するなどの尿所見がある場合は腎臓機能に問題がある場合もあります。早めに専門医に足を運んでいただければと思います。

 ☆まつだ・あきこ 東京都出身。医学博士。内科認定医、腎臓専門医、透析専門医。大学病院勤務を経て2017年、都内美容クリニック「サイエンスクリニック」院長に就任。20年5月からビューティーコネクション銀座クリニック院長就任。女医+(じょいぷらす)所属。