陸上男子マラソンで世界選手権4度出場のプロランナー・川内優輝(39=あいおいニッセイ同和損保)が、箱根駅伝の〝意義〟を力説した。
川内は5日、都内で精密機器メーカー「GARMIN」主催のランニングイベントに登壇。終了後に取材に応じた。学習院大在籍時には、関東学連選抜(現・関東学生連合)の一員として2度の箱根路(いずれも6区)を経験した川内。「高校時代は速い選手ではなかったので、大学で最初は箱根に出るのが目標だった。初めて箱根を走ってからは、もちろん他のレースもあるが、6区で60分を切ることを目標に頑張っていた」と箱根が原動力となっていたことを明かす。
続けて「学連選抜であってもすごく注目を浴びた。その経験をしたので、市民ランナーで活躍しても変なふうにならなかった。学連選抜のライバルたちが実業団にたくさん進んで、レースで出会うとモチベーションももらえた。仲間の絆とか、メディアの注目とか、将来に向けて勉強になった」と回顧。大舞台での出走が、その後の競技人生の支えになったと説明した。
箱根駅伝が絶大な人気と影響力を誇る一方、一部では「駅伝特化の練習は将来につながらない」といった批判的な声も根強く存在する。こうした意見に対し、川内は「そういう意見は私が学生のときからあったが、正直15年ほど前の当時はその傾向があった。薄底シューズではハーフマラソンまでの距離とフルマラソンは結びつかなかった」と一定の理解を示した。
しかし、長距離界は近年大きく変化したと力説。「シューズ革命で厚底シューズになってから、ハーフのスピードがある選手がそのままフルマラソンまで押し切れるようになった。現に別府大分毎日マラソンでは、青山学院大や中央大の選手が活躍できた」と技術革新の効果を指摘した。
さらに「15年前と違い、厚底時代になってからは駅伝のやりすぎでマラソンに結びつかないのではなく、駅伝のスピードがなければそもそもマラソンで戦えなくなってきている。しかも全日本や出雲の距離ではなくて、箱根の距離を戦えてやっとマラソンでしっかり勝負できると思う」と持論を展開し、箱根駅伝の存在意義を改めて強調。自らの足で時代を駆け抜けてきたレジェンドの言葉には、確たる実感がこもっていた。












